ずっと友達で
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いてくれたから」
「うん・・・」
互いを強く抱き締め、大粒の涙を流すウェンディとシャルル。二人は互いの体温を感じた後、フェイスの起爆ボタンの前に並ぶ。
「ここを触ればいいんだね?」
「うん」
「一緒にやろ!」
「ずっと一緒だったもんね」
二人が初めてあったのは、化猫の宿のギルドの中。シリルとウェンディが森の中で見つけてきた卵から、シャルルとセシリーは生まれた。
その時から、四人はいつでも一緒に行動をしていた。ギルドの中で遊ぶ時も、買い物にいく時も、プールで水遊びをしていた時も。そして・・・妖精の尻尾に入ってからも。
ニルヴァーナを破壊した後、ギルドの仲間たちとの辛い別れを一緒に乗り越え、マグノリアがエドラスに吸収された時は、その世界に一緒に飛び込んで、S級魔導士昇格試験ではケンカして、でもすぐに仲直りをして・・・たくさんの思い出が、彼女たちの胸の中に浮かんできた。
「また、友達になってね」
「当たり前じゃない」
二人が最後に言葉を交わすと、彼女たちは一度瞳を閉じ、ある人物たちを思い浮かべる。
(シリル・・・)
(セシリー・・・)
ウェンディはずっと一緒に暮らしてきた、大好きな少年を。シャルルは始めは仲が悪かったけど、今では何にも変えられないものとなった友達を。
(せっかく恋人になれたのに、ごめんね)
(私がいなくても、あんた、ちゃんと起きられるのかしら)
ウェンディは、付き合って日の浅いこともあり、まだまだやりたいことがたくさんあった。シャルルはどこか抜けていて、自分がいないと危なかったしい友人が少し心配だった。
だが、彼らが生きていくためには、自分たちが犠牲にならなければならない。
((私たちの分まで、生きて))
同時に同じことを考えた二人の妖精。彼女たちは息を合わせ、光る魔法陣に手を伸ばす。そして、
フェイスは爆発した。
フェイスが爆発したことにより、洞窟は倒壊し、辺りの荒れ地には大きな振動が走る。そんな中、そこから離れた場所に、一人の男が瞬間移動で現れる。
「間に合った」
そう言ったのは、評議院の生き残りであるドランバルト。彼の腕の中には、意識を失っているウェンディとシャルルが抱えられている。
「ふーっ。無茶しやがって」
怒ったようにそう言った後、ドランバルトは笑みを浮かべ、フェイスがあった方角に視線を向ける。
「まさかフェイスを破壊してくれるとはな。こんなに小さな勇者たちが」
小さな少女たちの大きな勇気。二人の活躍により、フェイスの発動は阻止されたのであった。
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