ずっと友達で
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ィは、不思議そうな顔をして彼女の背中をじっと見つめている。
「誤解しないで、フェイスは止まる。この文字に触れば・・・」
「じゃあ・・・」
「触ったら、フェイスは自爆する。つまりね・・・私たちも助からない」
非情なシャルルの検索した未来に、ウェンディは呆然とし、口を半開きにして硬直してしまう。
「私思うんだけど、魔法がなくても生きていけると思う。ほら、エドラスみたいに」
こことは違う平行世界。大人な姿のウェンディやシリルがいるその世界では、新たな王となったミストガンことジェラールの判断により、すべての魔力が失われた。でも、彼らは強く生きている。そう信じている彼女は、フェイスを破壊しなかった場合の話を振ってみる。
「ダメだよ・・・みんな・・・戦ってる最中・・・今、急に魔法が使えなくなったら・・・」
しかし、エドラスの時とは状況が違う。あの時は王国との戦いも終わり、区切りがついていた。そのため、魔法がなくなっても死者が出ることはなかった。だが今は、彼女の仲間たちは敵と戦っている。しかもその敵が使う力は魔法ではない。もしその力を失った状態で戦うことになれば、一溜りもない。
「そうよね。ウェンディ、爆発の範囲が予想、予知もできない。できるだけ遠くに逃げて。ここは、私がやっておくから」
「何言ってるのよシャルル!!ダメだよ!!」
ウェンディに遠くに避難するように言ったシャルル。しかし、言われた彼女は首を縦に振ることはない。立ち上がったウェンディは、フェイスの前に立つシャルルのもとへと駆けていこうとするが、足が動かずその場に倒れる。
「お願い・・・生きて、ウェンディ」
涙声でこちらに向かってきている少女に最後のお願いをするシャルル。だが・・・
「ダメ!!シャルルを一人にはさせない!!」
「早く逃げなさいよ!!起爆できないじゃない!!」
「やだ!!」
地面を叩き声を張り上げたウェンディ。
「私たちは、ずっと一緒なんだ!!」
這いつくばりながら、大好きな友達のもとへと一歩、また一歩と近づいていくウェンディ。それを受け、シャルルは目から涙をこぼしつつ、ゆっくりと振り返る。
「ずっと・・・」
「ウェンディ。もう飛ぶ力も残ってない。逃げられないのよ・・・」
「わかってる。私だって、もう動けない。遠くは・・・いけないよ」
傷だらけでやって来たウェンディから、シャルルは目を反らし、涙がこぼれるのをぐっと堪える。ウェンディはそんなシャルルを、強く抱き締めた。
「どこにも行かない」
彼女たちの横に落ちていく崩れた天井。二人の少女を照らす巨大な搭は、さらに強い光を放っていく。
「私たちの冒険もここまでだね。でも楽しかったよ。ずっとシャルルとシリルと、セシリーがそばに
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