ずっと友達で
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壊したはずだった。すべてはうまくいくはずだったのに、なぜかカウントダウンが動き続けている。
「ごめんなさい・・・」
顔を上げて光を増していくフェイスを見るウェンディ。彼女の目からは、涙が流れ落ちていた。
シリルside
ゴゴゴゴゴゴ
「うわっ!!」
「何〜!?」
突然の大きな揺れに倒れそうになる俺とセシリー。ラクサスさんとカミューニさんは、近くの壁に手をつきなんとか耐えていた。
「んだよ、この振動は」
「知るか」
血が収まってきた目から手を離し、イライラしているカミューニさんと、同様な態度のラクサスさん。そんな彼らの疑問に、ノーランがニヤリと笑いながら答える。
「フェイスに反応しているんだ」
「「「「!!」」」」
彼の言葉に俺たち全員の表情が強張る。まさかもうそんな時間なのか!?
「あと三分くらいかな?大陸中の魔法が消えるんだ」
「あと三分で!?」
「魔法が使えなくなっちゃうの〜!?」
40分あった時間がもう残すところ片手で足りるほどの時間しかない。ウェンディとシャルルが向かったみたいだったけど、大丈夫なのかな?
「落ち着け、シリル、セシリー」
「誰か止めに向かってんだろ?なら大丈夫だ」
慌てている俺たちにそう声をかけるラクサスさんとカミューニさ。二人とも、万全じゃない状態で戦ってることがあり、かなり息が上がっている。
「そういう俺もか・・・」
天空の滅悪魔法を体内に入れられたせいで魔法がうまく機能していない俺。魔障粒子のせいで体調に問題のあるラクサスさん。そして、目を潰されてまともに戦えないカミューニさん。今はこの三人でノーランに向き合っているのだが、状況は悪くなるばかりでなんともならない。
「ルーシィって奴かウェンディって奴のどっちかだろ?フェイスに向かってるのは。なら止めるのは無理だぜ」
「無理なもんか!!」
三人を相手に余裕綽々のノーランに声を荒らげる。さっき目を使って二人が逃げ切れたか見てたけど、ルーシィさんは変なのに捕まってた。だからウェンディしかいけてないけど、あいつも強くなったし、シャルルだっている。無理なんかじゃ絶対ないんだよ。
「それがわかるんだ、俺には。あいつらじゃフェイスを壊せないってな」
一向に意見を曲げるつもりのないノーラン。何か策があるのか知らないけど、ウェンディなら絶対何とかしてくれるはず。
(ウェンディ・・・シャルル)
強く拳を握りしめ、祈るように少女たちの名前を心で呼ぶ。俺は信じてるから。二人なら絶対止められるって。
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