第113話
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は身体を震わせ、すざましい殺気を全身に纏ってルフィナを睨み
「………そうね。さっきの言葉はさすがに失言ね。同じ女性として、これ以上は言わないでおくわ…………」
睨まれたルフィナは頷いた後、再び妖しげな笑みを浮かべて答え、そして話を続けた。
「話を戻すけど……………まさか”白面”の誘惑にあなたが耐えきるなんてね。」
「正直………リースが一緒やなかったら取り込まれてしまってたやろ。その意味では………オレは相変わらずヘタレで臆病なまんまかもしれへん。人間………そう簡単には変れへんしな。」
「ケビン………」
ルフィナの言葉に答えたケビンの言葉にリースは静かな微笑みを浮かべ
「ふふ、その割には穏やかな目をしているのね。でも………そんな自信のないことで本当にいいのかしら?あなたが私を止められなければこの”影の国”は止まらない。その事はわかっているのでしょう?」
ルフィナは頷いた後、再び妖しげな笑みを浮かべて尋ねた。
「ああ………そしてその影響はこの世界だけに留まらない………おそらく”影の国”は現実世界への侵食を始める………そうなんやろ?」
「え………!?」
「何!?」
「僕達の世界にまで影響が!?」
「………ありえない話ではないですね。実際、”本物”のイグナートや封印されていたという”姫神”が取り込まれていたのですから…………」
そしてケビンの推測を聞いたリース、ヴァイス、ナユタは驚いて声を出し、シルフィエッタは真剣な表情で呟いた。
「ふふ………よく気付いたわね。この数千年………人の願望を取り込みすぎた事により”影の国”の密度は限界に達している。その内圧を解き放つため………確かに現実世界への侵食を開始することになるでしょう。
「やっぱりか…………」
ルフィナの説明を聞いたケビンは納得した様子で呟き
「いきなり現実の全てを変えてしまうのは無理だけど………異界化のようなプロセスで少しずつ侵食することなら可能よ。最終的には、現実の世界に亡者や悪魔が溢れ出るでしょうね。」
「「そ、そんな………」」
リースとノイは信じられない表情をし
「現実が虚構に………虚構が現実に………そういう事ですね?」
シルフィアは真剣な表情でルフィナを睨んで言った。
「ふふ………でも考えてご覧なさい。それは人の思いや願いが反映されやすい世界でもある。皆が平和と幸福を望めば世界を本当にそのように変えられるかもしれない………いっそ受け入れてしまうのも選択肢の一つかもしれないわね。」
一方ルフィナは妖しげな笑みを浮かべた状態で提案したが
「………いや。それはあり得へんわ。」
「あら………」
ケビンの答えを聞き、意外そうな表情をした。
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