第09話 海域偵察任務
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、提督の秘書官に就いていた。秘書官として、提督の色々な雑事を手伝っていた。
提督が仕事を振り分けて、皆が問題解決しようとやる気充分に動けている。順調に進めて行けていると思うのだけれと、心配している事が一つ。
それは、提督が働き過ぎという事。今頃は鎮守府にある工廠で妖精さんたちと一緒になって新たな艦娘を生み出そうと研究を続けていて、ずっと仕事をしている提督の事が心配だった。
私は、提督がいつも熱心に働いている様子を見ていて、休んでいる様子は見たことが無かった。そして、長門さんや加賀さん、妖精さんに聞いた話によると、偵察任務に出ている間も、提督は少しも休憩を取る様子がなくずっと仕事を続けているらしい。
本部と連絡が取れない孤立している今の状況や、資源の安定した補給ルートが確保できずに時間が立つごとに消費されていく資源、色々と積み重なっている問題を解決しなければいけない状況であるために、提督は責任感を持って休まずに問題解決に向けて色々と取り組んでいた。
あまりにも寝ていないようだったので、長門さんが提督に休むように意見を申し述べていて、提督もすぐに聞き入れてくれた事も有ったらしい。ベッドに横になってくれたと聞いて一旦は安心したのだけれど、提督はその後1時間ぐらいでベッドから起きだして、再び仕事場へ向かってしまったらしい。
あまりにも短すぎる睡眠時間に、重ねて長門さんがもっと寝て休むように言ってみた所、二度目のお願いは聞いてもらえないようだった。
「もう十分休めて、身体の疲れも無くなったから大丈夫だよ。ありがとう」
という言葉をスッキリとした顔で言われて、本当に大丈夫な様子を見せられて提督は作業に戻っていってしまった。その後、いくら働いてもつかれた顔を私たちには見せずに少ない睡眠時間で仕事を続けて、今も仕事を続けていてとても心配していた。
「吹雪っ! 少し遅れているぞ! それと、もっと集中して周りの様子に気を配っておけよな。敵がいつ攻めてくるか分からないんだ。攻撃に気づくのに遅れて直撃を受けたからって、後始末させられるのはゴメンだぜ」
「す、すみません!」
考え事していた私に向かって、天龍さんから叱咤の声が飛んできた。
敵襲もない偵察任務の繰り返しに気が抜けて、考え事で頭がいっぱいになっていた。天龍さんの言うとおり、緊張感が無くなっていたかもしれない。
提督の事は心配だけれど、今は与えられた任務をしっかりこなそう! 気を引き締め直して、私は偵察任務に集中した。
こうして、偵察任務を与えられた私達3人の航海はしばらくの間続いた。
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