機動戦艦ナデシコ
1361話
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な事はありません。そちらの……シャドウミラーと言いましたか。私の上司が貴方達の話を聞きたいと言ってますので、会談をしたいと思うのですが、どうでしょう?』
エザリアが視線を俺の方に向けてくる。
それに対して俺が返すのは頷きだけだ。
そもそも、こちらとしては木連と交渉をするのが目的で木星までやってきたのだから、この提案を断るつもりは一切ない。
寧ろこちらから望むべき事だ。
……そう思っていたんだが、何故か映像モニタに映し出されている白鳥は俺の方をじっと見つめていた。
何だ? 好意的な視線って訳でもないが、敵意の類でもない。
「では、そうさせて貰いましょう。会談はどこで行われるのかしら?」
俺を見ていた白鳥だったが、エザリアのその口調で慌てて我に返る。
『小惑星の一つにこちらの軍港があります。そこでどうでしょう? 個人的にはれいげつに招待したかったのですが、上に止められまして』
「れいげつ?」
ブリッジにいる全員の疑問を代表してエザリアが尋ねる。
話の流れから考えて、恐らく基地か何かの名前だと思うんだが……
『はい。れいげつというのは、言わば我々の首都と言っても構いません。そちらからでも見えるのでは?』
その言葉に、ブリッジにいた皆が映像モニタへと視線を向ける。
巨大な宇宙艦がそこにはあった。
木星に来た時に話題にしていた艦だな。
なるほど、やっぱり木連の首都はあの艦だったのか。
「れいげつ、というの。いい名前ね」
『そう言って貰えると、私としても嬉しく思います。……今回の会談が成功し、そちらと我々の関係が深まれば、れいげつに招待するのもそう遠くないかと。お互い、悪の地球を倒す為に頑張りましょう。……では、軍港の座標を送ります。私達は先に軍港で待っていますので、直接お会い出来るのを楽しみにしています』
そう告げると、映像が切れる。
残っているのは、沈黙に満ちたブリッジ。
そんな中で、不意に円が口を開く。
「悪の地球って……私達が地球とも交渉しているというのは、向こうも知ってるのよね?」
「間違いなくな。そもそも、このシロガネは今まで幾度も連合軍と協力して木連の無人兵器と戦っている。そうである以上、地球と友好的な関係にあるのは知らない筈はない」
ナタルの言葉は事実だ。事実はではあるが……
「けど、俺達が倒してきたのは結局のところ無人機だ。それも、地球や火星に派遣された、な。だとすれば、木連が俺達と地球の関係を知らないという可能性もあるんじゃないか?」
そう告げる。
実際問題、フォールド通信のような特殊な通信システムがあるのであれば、地球と火星、地球と木星どころか、太陽系以外からでもタイムラグなしで通信出来る。
フォール
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