終章〜いつか、辿り着く場所〜 第110話
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その後無事庭園に戻ったケビン達はエステル達に全ての事情を説明した。
〜隠者の庭園〜
「―――以上が、この事件の大まかな全貌です。」
「………………………」
ケビンとリースから”影の国”や何故、自分達が取り込まれたかを聞いたエステル達は黙ってケビン達を見つめた。
「はっきり言って………全てはオレが元凶ですわ。皆さんはそれに巻き込まれただけにすぎません。………申し訳ない。お詫びのしようもないですわ。」
事情を全て話し終えたケビンは目を伏せた。
「え、えっと………正直、ケビンさんがなんでそこまで恐縮するのかあたしにはわからないんだけど………」
「へ………」
しかしエステルの話を聞き、目を見開いて呆けた声を出した。
「話を聞く限り、”環”を失った”影の国”が『主』を求めるのは必然………ならば、君がいようがいまいがそれに相当する事件は必ずや起こったに違いない。」
「フッ、確かにね。おそらく他の誰かが選ばれてその人物のトラウマを反映した”影の国”が誕生しただけさ。」
そしてミュラーとオリビエが説明をし
「………お前が選ばれた時のことを考えると正直、ゾッとしないがな。それだけでも僥倖というものだ。」
「失礼な………少しは信用してくれたまえ。せいぜいここにいるみんなで酒池肉林のパーティーでも繰り広げる世界になったくらいさ。」
「フッ。それは少し興味深いな……」
いつもの調子で会話を始め、ヴァイスと共にその場にいる全員を脱力させた。
「……………………」
「ヴァイス様………こんな時に悪い癖を出さないで下さい………」
「ふ、ふぇえ………」
「………………最低です。」
オリビエの言葉を聞いたミュラーは顔に青筋を立てて黙り込み、リセルは呆れた様子で溜息を吐き、ティータは不安そうな表情で呟き、ティオは蔑むような視線でオリビエ達を見つめ
「こいつらは……」
「あ、あんたねぇ………というかヴァイスさんもオリビエと同類だったなんてショック………」
「少し見直したと思ったらこれか………」
「もし、そんな事になったら絶対殺す!」
アガットとエステル、リフィアは呆れた様子で、エヴリーヌは殺気を纏ってオリビエ達を睨み
「じょ、冗談じゃないよ!」
「全くじゃ!」
「??シュリ姉様〜!”酒池肉林”って何ですか〜?」
「サリアは知らなくていい事よ!」
ジョゼットとレシェンテは怒りの表情でオリビエ達を睨み、シュリはサリアが尋ねた言葉に慌て
「とんでもない皇子ね………」
「ふう………シャレになってないわね。」
「………ねえ、レーヴェ。本当にハーメルを守っていた国の皇族なのよね、あの方。」
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