第106話
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ワイスマンの提案を聞いたケビン達はそれぞれ驚きの表情をし
「なに、簡単なことさ。人間らしい心を捨てさればいい。」
「!?」
「なっ!?」
「………あ………」
凶悪な笑みを浮かべて説明したワイスマンの話を聞き、リースとリタは驚き、ケビンは呆けた声を出した。
「君の”聖痕”は言ってしまえば絶望と罪悪感から生まれたものだ。ならば、そんな下らぬ感情に囚われることのない存在になればいい。すなわち、何者にも拠ることなく自らをコントロールできる”超人”に。」
「………………………………」
「ば、馬鹿げてる………………そんなもの………人として正しい道のはずない!」
「悲しみ………苦しみ………それら全てを含めて”人”なのです!」
「フフ、しかし私は長きに渡ってそれを追求して来た。”聖痕”の研究もその一環………ヨシュアでは失敗してしまったが今の君はその一歩手前まで来ている。そして”超人”となった時………君は完全に”聖痕”をコントロールし、新たなる”影の王”となれるはずだ。」
「黙りなさい、”白面”!これ以上、その淫らな舌でケビンを誘惑するのは許さない!」
「………パズモ達が貴方に対して相当の怒りを抱いていた理由がようやくわかりました………貴方だけは絶対に許しません。生まれ変わる事も許さない。」
凶悪な笑みを浮かべてケビンを見つめるワイスマンをリースとリタはそれぞれ怒りの表情で睨んだ。
「フフ………誘惑ではなく提案だよ。誓って断言するが………私は一言も嘘は言っていない。彼に滅された恨みなど………このような事態になってしまえばむしろ些細なことだ。私は見てみたいのだよ………七耀の教えを捨ててまで”結社”に求めた”超人”への道が真の意味で実現する瞬間をね………!」
「………狂ってる……………」
「………リース、もういい。もういいんや………」
「ケビン………!?」
「……………」
ワイスマンの話を聞き寂しげな笑みを浮かべたケビンをリースは驚いた表情で真剣な表情で黙っているリタと共に見つめた。
「フフ………それでいい。君ならばきっと、理解してくれると思ったよ。」
「確かに………オレは強くあるべきなんやろ。ルフィナ姉さんをこの手で殺めてしまったこと………母ちゃんを拒絶して見殺しにしてしまったこと………そして今も、リースや他のみんなを巻き込んでしまっていること………それもこれも全部………オレが臆病でヘタレだったせいや。」
「ケビン………」
「フフ、その通り。しかしその弱さは必ずや克服できるものだ。私の示す”超人”の道によってね。」
「ああ………多分それもアリなんやろな。―――でもオレ、やっぱその道は選べそうにないわ。」
「…………
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