第105話
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「この”煉獄”が本当にオレの望んだものやとしたら…………オレってかなりマゾッ気でもあるんとちゃうかな。」
「いいから………!こんな時は喋らなくていいから!」
そして無理をして説明するケビンに涙を流しながら叫んで、ケビンの話を止めようとした。
「………すまん…………」
リースの言葉を聞いたケビンは辛そうな表情で呟いた後、一瞬身体を震わせた。
「………ある意味、今のも必然だったかもしれへん。あの冬の日以来……オレはずっと母ちゃんの死から逃げ続けていただけやったから………これで……やっと向き合える気がする。」
「ケビン………」
そして静かに語るケビンをリースは涙を流しながら見つめていたその時
「く……!?」
ケビンは身体を震わせて呻いた後、地面に倒れた!
「ケビン!?」
「ケビンさん!?」
地面に倒れたケビンに驚いたリースとリタはケビンに駆け寄った。
「……クソ………こんな時に………限って………」
地面に倒れたケビンは呻いた後意識を失った!
「ケビン、ケビン!?しっかりして!」
ケビンに駆け寄ったリースはケビンの名を呼んだが、ケビンは何も答えず意識を失っていた。
「落ち着いて下さい、リースさん。……恐らく、今までの戦闘によって解放していた”聖痕”の疲れが今、来たのではないでしょうか?以前も”聖痕”を解放して倒れましたし………”裏”の”試練”になってから”聖痕”を多用する事もあったらしいですし………その事が原因だと思います。」
「そんな………この状況で倒れるなんて、どうすれば………以前の時もかなり時間がかかったのに………」
そして諌められたリタの推測を聞いたリースは表情を青褪めさせてケビンを見つめたが
「………リタさん。何かいい案はないでしょうか?まだまだ知識不足な私より冥界の守護者として永い時を生きる貴女の知識だけが頼りなんです……!お願いします………!」
すぐに気を取り直し、決意の表情になってリタを見つめた。
「そう言われましても……………………」
一方見つめられたリタは困った表情をした後、少しの間考え込み
「…………一つだけあります。それでしたら魔力どころか精気や精神も回復できますから、”聖痕”による疲労も完全に回復するのですが………ただ、リースさんにとってかなり抵抗や問題がある方法なんですよね………う、う〜ん………………………どうしよう………?」
ある事を思い出してそれを口にした後、再び困った表情で考え込んだ。
「…………私の事は心配いりません。どんな方法でもケビンが目を覚ませるのならやります。教えて下さい、リタさん。」
リタの様子を見たリースは決意の表情でリタを見つめて言った。
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