第105話
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を抱きしめたリースは涙を流して叫んだ。
「はは………オレが選んだ道やしな。お前のこと………巻き込みたくなかったんや。」
リースの言葉に寂しげな笑みを浮かべて答えたケビンだったが一瞬考えた後、自分の言葉を否定するかのように首を横に振って再び答えた。
「………いや………違うな。多分………オレは怖かったんや。自分を痛めつけることで『罰』を得ようとするオレの姿をお前にだけは見せたくなかった………お前との絆まで………完全に断たれることが怖かった。」
そしてケビンは空を見上げた。
「ああ………多分、そういうことなんやろな。」
「バカ………!ケビンの大バカ………!」
「はは………オレとしてはアホの方が愛があって好きなんやけど………ま、バカで十分か。」
リースの言葉を聞いたケビンは苦笑し
「ケビンのアホ………ヘタレ………死んじゃえ………」
「………なんか増えてるんやけど。」
自分が求めた言葉以外を聞き、脱力した。
「フフ………」
そして2人の様子をリタは微笑みながら見つめていた。その後探索を再開し、しばらく進むと再び、何者かの怨念の声が聞こえて来た!
………ゴメンナ…………
怨念の声にケビン達が気づいたその時、ケビン達が行く先に女性の姿をした怨霊が現れた。
……ゴメンナ………けびん………デモ………オカアサン………モウ………ツカレテシモウタンヤ…………
「………あ……………」
「も、もしかして………!?」
「ケビンさんのお母さん………!」
怨念の声を聞いたケビンは呆け、リースは信じられない表情をし、リタは真剣な表情で呟いた。
………ダカラ………ダカラナ………けびん………コノママ………オカアサントイッショニ…………
そしてケビンの母の怨霊が襲い掛かって来た!
「させない!………ハアッ!!」
「アアアアア―――!?」
しかしリースが放った神聖魔術を法剣の刃に宿らせ、刃を伸ばして攻撃するクラフト―――ホーリーフェンサーをその身に受けて怯み
「魂をも凍らせてあげる!氷垢螺の絶対凍結!!」
続くように放ったリタの魔術によって全身が凍結して動けなくなり
「母ちゃん………ごめんな……………そらっ!!」
ケビンが放った暗黒魔術を込めた矢を放つクラフト―――ダークアローを受け、矢が命中した瞬間起こった暗黒の爆発によって凍結した身体は爆散して、消滅した!
「…………………ハハ………今のはさすがに堪えたかな………」
「ケビン……いいから…………」
戦闘が終了し、母の亡霊が消滅した場所を見つめて呟くケビンをリースは辛そうな表情で見つめていた。
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