第104話
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〜第九星層〜
「………おい……………リース……………しっかり…………せえ………」
「ん……ケビ……ン………?」
聞き覚えのある声を耳にし、気を失っていたリースは目を覚ました。
「……あ……」
目を覚ましたリースは自分がケビンの膝で介抱されている事に気づいた。また、裂け目に落ちた影響か、リースのフードはなくなっており、長い髪を腰までなびかせていた。
「………大丈夫か?身体の調子はどうや?」
「う、うん……大丈夫……みたいだけど。ケビン……どうして……わたし……裂け目から落ちて………それなのに……どうしてケビンまで………」
ケビンに尋ねられたリースは頷いた後、呆けた表情でケビンを見つめたその時
「このアホ……!」
ケビンはリースに怒鳴って、リースの額を指で軽く叩いた。
「………え…………………」
そしてリースは叩かれた場所に手を押さえて呆けていた。
「後先考えずにつまらん挑発かますな!やれるものならやってみろ!?たとえ何処に落とされようときっと生き延びる!?なにを根拠にそんなこと言えるねん!?」
「……で、でも………」
「お前、従騎士やろ!?判断力も実行力もない新米が勝手な判断で行動すんなや!それが守れへんのなら……いっそ騎士なんて止めてしまえ!」
「………………………………」
ケビンの叱責にリースは何も答えず、黙って聞いていたが
「……とまあ、ホントはそんな風に叱るところやけど。オレも人のこと言えへんし、今のデコピンで勘弁したるわ。」
ケビンは苦笑しながらリースを見つめて言った。
「………え…………」
そしてケビンはリースを地面に置いて立ち上がって周囲の景色を見つめて言った。
「見てみい、この光景を……これが”第九星層”や。」
「あ………」
ケビンが見つめる視線をリースが追って見つめると周囲は伝承で伝えられているような”煉獄”のような景色だった。
「……”煉獄”………」
「ああ、まさにそのものといった光景やな。そして………この光景を造り上げたのは多分、オレ自身なんやろ。」
「………あ…………」
「この”影の国”は人の想いが反映される世界……どういう理由でか……ルフィナ姉さんはこの地で甦った。姉さんの記憶と性格を持ちながらただオレを罰するための存在として。……そしてそれは確かにオレにとって何よりの『罰』やった。」
「…………………………」
静かな表情で語るケビンをリースは辛そうな表情で黙って、何も答えず見つめていた。
「オレは………確かに『罰』を望んでたんやろ。そして『罰』を受けることで全てが解決すると思い込んでいた。自分を犠牲にすることによってあの時の姉さんみたいにお
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