第103話
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ったリースは信じられない表情で身体をよろめきさせながら、一歩下がった。
「ま、そういう事や。オレはルフィナ姉さんを助けられなかったんやない。このオレが………お前の目の前にいるこのロクでもない疫病神がお前の姉さんを殺したんや。」
「で、でも………でもケビンは………!」
「殺すつもりがなかった………そんなのはタダの言い訳や。あの時のオレは”聖痕”の力に翻弄されて血と暴力に酔いしれていた。オレの心が弱くなかったら………こんな事にはならんかったやろ。」
「…………ケビン………………」
「それに……それにな……オレはな、あのとき姉さんが自分の母親のように見えてたんや。オレの首を締めてきた………あの時の母ちゃんと同じように。そして……裏切られた腹いせを込めて”魔槍”を叩き込んでやった………どっちも大好きで………オレの手で守りたかったのに………ククク………母ちゃんとルフィナ姉さんをまとめて殺したも同然や………」
「………………………………」
暗い笑みをを浮かべているケビンをリースは辛そうな表情で見つめた後、頭を俯かせ
「………どうして………たの………?」
静かに呟いた。
「………え………?」
リースの言葉の一部しか聞こえなかったケビンはリースを見つめたその時
「どうして黙ってたの!?この5年間………私に一言も話さないで……!」
涙を流し、怒りの表情のリースがケビンを睨んで叫んだ!
「ああ………ホンマ悪いと思ってる。でも、話したからにはオレにも覚悟は出来てるわ。お前にやったら………仇を討たれても本望やし。」
そしてケビンは寂しげな笑みを浮かべてリースを見つめて言った。
「………バカっ!」
ケビンの言葉を聞いたリースは怒りの表情で叫んだ後、ケビンに詰め寄ってケビンの法衣の首元を掴んで顔を近づけた。
「お、おい………」
「ふざけないで!ケビン・グラハム!私が怒っているのはそんなことじゃない………!どうして………なんでそんな重いものを抱えて一人ぼっちで生きてきたの………!?私に………!あなたの家族のこの私に………!一言も相談しないで………!一緒に抱えさせもしないで………!」
「リースさん……………」
「……………………」
涙を流し、涙声で叫ぶリースの言葉を聞いたクローゼとリタは辛そうな表情で2人を見つめ
「…………リース…………」
ケビンは静かに呟いた。
「やっとわかった………ケビンがどうして”外法狩り”をしているのか………姉様を死なせてしまった償いのためじゃなかったんだね?」
「な………!?」
寂しげな笑みを浮かべて呟いたリースの言葉を聞いたケビンは驚いてリースを見つめた。
「もう………私にはわかる……
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