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アインクラッド篇
movement V 迫り来る狂気の行進曲
迷いの森にて
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三十三層転移門前

「悪いな。待たせた、アマギ。」

「気にすんな。呼び出したのはこっちだ。」

オレンジギルド《タイタンズハンド》を牢獄に送り込むと約束したが、流石に一人でギルド一つを相手にするのは骨が折れる。そこで助っ人を頼むことにした。それが、目の前にいる《黒の剣士》ことキリトだ。

「で、この層にいるのか?」

「………多分。」

「多分?」

正直に言えば確信はない。何せ目撃証言頼りなのだ。

「この層でそれらしい奴を見たって話なんだが………残念ながらここのフィールドダンジョンは………」

「『迷いの森』だったな。」

ランダムにエリアが入れ替わるダンジョン。地図さえ持っていれば何とかなるが人探しとなると此処ほど面倒な場所はそうそう無い。それにここは―――――



「………もう平気か?」

「…………ああ、忘れる事は絶対に無いだろうが、少なくとも乗り越えたつもりだ。」

「そうか、ならいい。」

そう、ここはあの《背教者ニコラス》と激戦を繰り広げた場所だ。立ち直っていたとはいえ、中々キツいものが有るかと心配したが、杞憂だったようだ。

「じゃあ、行くか?」

「ああ、これ以上の被害が出る前に止めなきゃな。」

そう言って二人で歩き出した。















時間は進み既に日も暮れた。

「………いないな。」

「………ああ。」

二人してため息をつく。散々探したがどうにも見つからない。途中幾つかのパーティーに出会ったが、皆見ていないという事だった。

「……仕方ない、次のエリアに居なかったら引き上げるか。」

「そうだな。昼から探索(もぐ)ってるなら向こうも街に帰る頃合いだしな。」

俺の提案にキリトも頷く。そして目の前で揺らめく転移門に一歩足を踏み入れた。

飛び出した先で見たのは戦闘。それ自体は珍しくもなんとも無いのだが……

「ドランクエイプ三体か。それもソロ。よっぽど自信があるのか?」

「……いや、大分厳しそうだぞ。」

そう、戦闘中のプレイヤーは消耗が激しそうだ。恐らくドランクエイプの特殊能力、体力回復の薬品に手こずっているのだろう。プレイヤーの少女も、隣にいる青い小竜も大分キツそうだ。

……………青い小竜?

「あの子、ビーストテイマーか?」

ビーストテイマー。超低確率で遭遇する非攻性(ノンアクティブ)モンスターを手なずけると使い魔モンスターとしてプレイヤーをサポートするようになる。それに成功したプレイヤーをそう呼ぶのだ。

とにもかくにも、助太刀しようと走り出す。敏捷値の関係でキリトの方が速い。

と、その時だった。主に迫る一撃を、テイムモンスターが身を
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