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アインクラッド篇
movement V 迫り来る狂気の行進曲
迷いの森にて
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挺して庇ったのは。
そして、少女の目の前で青い小竜は四散した。
少女は怒りに身を任せた様に、小竜を殺したドランクエイプに集中攻撃を仕掛ける。他の二体は眼中にないらしく、捨て身の連撃を加える。その一体のHPを削り切った時には、少女のHPは真っ赤に染まっていた。と、そこでようやく、先行していたキリトが間合いに入った。
一閃
ドランクエイプ二体が横薙ぎに引き裂かれ、次の瞬間にはその全身をポリゴンへと変えた。
「………済まない。君の友達、助けられなかった。」
「………いえ、ありがとうございます。助けてくれて……。」
キリトの言葉に涙を流しながら応える少女。その背後に、何やら不自然な木があった。と、その木から手が生え、目が開き、奇声と共に腕を振り上げた。――――タイミングで俺が投げた短剣が突き刺さった。
「キリト、詰めが甘いぞ。」
「悪い、助かった。」
「……まぁ、索敵に反応しないトレントだから仕方ない部分もあるけどな。」
言いつつ、トレントが四散して地面に落ちた短剣を拾い上げる。ジャケットの内側にしまい直すと、少女の方を振り向いた。
年齢12〜3歳といったところか。軽装鎧のダガー使い。間違いない、この子は《竜使いのシリカ》だ。何度か星月夜亭に来たことがある。
「えっとぉ………シリカちゃん、だよね?俺の事分かる?」」
「あ……はい、星月夜亭のウェイターさんですよね?三十一層にある……。」
うぉう………俺の扱いウェイターなのかよ。まぁそう間違っても無いのが痛いが。
と、そこでシリカは傍らに落ちていた青い羽を拾い上げる。
「ピナぁ………私を一人にしないで…………お願い……。」
その様子を痛ましく思いつつも何か引っ掛かる。何だ?
「ちょっと待ってくれ。その羽、アイテム名登録されてるか?」
キリトが割ってはいる。アイテム名?何か思い出せそうなんだが……。
シリカはポップアップメニューからアイテム名を確認する。名前は……《ピナの心》。それを見てシリカは再び泣き出してしまった。
心?そういやどっかで聞いたな。あれは……確か………。
「わっ!?な、泣かないで!心アイテムが残ってるならまだ可能性はある!」
キリトのその言葉で思い出した。あれは確か四十七層にある………。
「『思い出の丘』か?キリト。」
「思い出の……丘?」
「ああ、四十七層にあるダンジョンなんだけど、そこでテイムモンスター蘇生用のアイテムが採れるんだ。」
「ほ、本当ですか!?」
目を輝かせるシリカ。しかし、その表情は直ぐに曇ってしまう。多分レベルの問題に思い当たったのだろう。四十七層で必要なレベルは安全マージン込みで50後半から60。それに対し彼女
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