第2章:埋もれし過去の産物
閑話6「古の戦い」
[10/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
満身創痍な二人には回避不可かと思われる一撃。
...それを二人は避ける。
刹那、大地に命中した極光は巨大な爆発を起こした。
「(シュネーに対する勝率は既にないに等しい。)」
「(だけど、ゼロじゃない...。)」
「「(なら!その可能性を掴み取る!!)」」
幻覚だろうか。二人の体を淡く、見えない程の金色の光が包んでいた。
紅い極光をギリギリで躱した二人は、爆発をその身に受け、加速する。
ダメージがない訳じゃない。既に立っているのもきつい。
それでも、二人は立ち向かう。...可能性を掴むため。
「なっ...どうして...なんで!?」
「シュネー!!」
さしものシュネーも、避けられたのには動揺していた。
その隙を逃さず、オリヴィエが肉薄する。
「貴女の悲しみを断ち切るため...今、ここで斃します!!」
「くっ...!」
「甘い!!」
―――導王流奥義“刹那”
苦し紛れに放たれた..だがオリヴィエを砕け散らせる程の威力を持つ拳を、受け流す。
それだけじゃなく、その拳に匹敵する程の威力のカウンターが、放たれる。
...その一撃が、シュネーの心臓を穿ち、吹き飛ばす。
「...“覇王...断!空!拳!!”」
二人の体はボロボロ。だからこそ、クラウスは全てを込めて、拳を放つ。
「っ、ぁ―――――」
....その拳が、シュネーの頭を捉えた。
シュネーの体は、吸血鬼になっており、脳と心臓のどちらかが残っていれば再生する。
だが、オリヴィエの一撃で心臓が、クラウスの拳で脳が穿たれた今...。
「....ぁ...ムー....ト.......。」
...シュネーは、灰になり、空中で屍と化した。
残ったのは、力を使い果たし倒れながらも、悲しみに暮れる聖王と覇王だけだった...。
―――...以上が、私の最期ですよ。
...いえ、いいんです。もう、終わった事ですから...。
...でも、オリヴィエとクラウスには悪いことしちゃったな...。
私を殺したという重責を背負わせたんだから...。
...後悔はありませんよ。もっと良い方法はあったかもしれませんけど...。
でも、それでも、私は後悔していません。
体は死んでも、心はムートに...お兄ちゃんに救われたんですから。
...はい!自慢のお兄ちゃんです!...あ、渡しませんよ!
...あー...寂しい...っていうのは、もちろんあります。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ