暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
閑話6「古の戦い」
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満身創痍な二人には回避不可かと思われる一撃。

  ...それを二人は避ける。
  刹那、大地に命中した極光は巨大な爆発を起こした。

「(シュネーに対する勝率は既にないに等しい。)」

「(だけど、ゼロじゃない...。)」

「「(なら!その可能性を掴み取る!!)」」

  幻覚だろうか。二人の体を淡く、見えない程の金色の光が包んでいた。
  紅い極光をギリギリで躱した二人は、爆発をその身に受け、加速する。

  ダメージがない訳じゃない。既に立っているのもきつい。
  それでも、二人は立ち向かう。...可能性を掴むため。

「なっ...どうして...なんで!?」

「シュネー!!」

  さしものシュネーも、避けられたのには動揺していた。
  その隙を逃さず、オリヴィエが肉薄する。

「貴女の悲しみを断ち切るため...今、ここで斃します!!」

「くっ...!」

「甘い!!」

   ―――導王流奥義“刹那”

  苦し紛れに放たれた..だがオリヴィエを砕け散らせる程の威力を持つ拳を、受け流す。
  それだけじゃなく、その拳に匹敵する程の威力のカウンターが、放たれる。
  ...その一撃が、シュネーの心臓を穿ち、吹き飛ばす。

「...“覇王...断!空!拳!!”」

  二人の体はボロボロ。だからこそ、クラウスは全てを込めて、拳を放つ。

「っ、ぁ―――――」

  ....その拳が、シュネーの頭を捉えた。

  シュネーの体は、吸血鬼になっており、脳と心臓のどちらかが残っていれば再生する。
  だが、オリヴィエの一撃で心臓が、クラウスの拳で脳が穿たれた今...。

「....ぁ...ムー....ト.......。」

  ...シュネーは、灰になり、空中で屍と化した。

  残ったのは、力を使い果たし倒れながらも、悲しみに暮れる聖王と覇王だけだった...。



















  ―――...以上が、(シュネー)の最期ですよ。

  ...いえ、いいんです。もう、終わった事ですから...。

  ...でも、オリヴィエとクラウスには悪いことしちゃったな...。
  (シュネー)を殺したという重責を背負わせたんだから...。

  ...後悔はありませんよ。もっと良い方法はあったかもしれませんけど...。

  でも、それでも、私は後悔していません。
  体は死んでも、心はムートに...お兄ちゃんに救われたんですから。

  ...はい!自慢のお兄ちゃんです!...あ、渡しませんよ!

  ...あー...寂しい...っていうのは、もちろんあります。


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