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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第40話 企み
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赤髪君はどんな人生を歩んできたのだろう?

肩幅は子供のように狭く、全体的に小さい。
でも触れて、話して分かった。
遅れながらの教師としての観察眼や科学者としての見地。

私とまでは行かないが、赤髪君もこの世の地獄を味ってきた被害者だと言うこと

木山は思わず肩から伸ばしていた腕に力を入れてサソリの首元を包み込むように抱き締めた。
「?」
木山の握っている力が強くなったのを感じたサソリが一瞬だけ動作が止まり、木山の様子を確認する。
木山は、炭でなぞられたような隈から潤んだ瞳を見せている。

「どうした?」
「いや、何でもない......赤髪君が私の為にこんな危険な行為をさせていると思うとね......すまない」

サソリは木山を背負っている体勢を整えると軽く、今度はゆっくりと昇りを再開した。
「取引を忘れるなよ......」
「ああ」
「それと、オレの名前はサソリだ」
「え?!」
「これからコンビで動くからな。相方の名前くらい把握しておけよ。木山」
「サソリか......分かった」

屋上の縁に手を掛けてサソリと背中から降りた木山は、雨にズブ濡れになりながら、木山の教え子を昏睡たらしめた悪魔の研究所を遠くから眺めた。

コンクリートのドーム型の建物に入口から一本の連絡橋が見えている。
窓ガラスはあるにはあるが、金属板が立て掛けられて最低限の光を入れるだけだ。
内部の情報は隔絶され、一切外から伺うことは不可能だ。

木山は拳を握りしめて、あの時に味った後悔を思い出していた。

何度無力だと思ったか
なんて愚かだったのだろうか
自分しか考えていなかった自分をいつもと同じように責めた。
......だが、それも今日で終わらせる
あの子達を解放してあげないとな

サソリが緊張で息が荒くなった木山の背中を軽く叩いた。
「じゃあ、行くぞ」
サソリはチャクラを最小限出すと印を結び出した。

******

とある研究センターのメインコンピュータ室で身体が黒白がはっきりした男『ゼツ』がモニターを睨みつけていた。
「サソリガ動キ出シタゾ」
「そうだね。少し予定より早いけど。始めようかな」
ゼツの探知能力は、暁のメンバーの中でずば抜けて高く、見張り役を遂行していた。
幾つかの段階に分けることが出来、今回は中規模を探知範囲にしていた。

ゼツは腕を伸ばしてコンピュータのキーボードを操作するとメール作成画面を開いてカタカタと文章を打ち込むと簡潔なメールを送信した。

黒と白の半身がそれぞれ話し出す。
「木山も一緒だね。前の実験施設に向かったみたいだ」
「ガキヲ目覚メサセルツモリカ?」
「そう簡単にはさせないよサソリ。あの子達は都合の良いエネルギーになっているしね」
「何カ
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