第10話 叶えて欲しい
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ちゃんは祝福してくれるし、差し置いてだなんて絶対思わないよ」
「....なんで凛、そんなこと言っちゃったんだろう。かよちんがそんなこと思うはずがないのに」
徐に凛は室内をうろつきはじめ、そのまま僕のベッドにぼすんと倒れこむ。
正直なところ、僕は花陽より凛の事の方がずっと心配だ。放っておいてでもしたら本当に彼女が壊れてしまうんじゃないかって思えてきたからだ。このままだと花陽が仮にスクールアイドルになったとしても凛は無意識に、自覚のない嫉妬心を潜めるんじゃないかと僕は無くはない可能性を考える。
凛に限ってそんなことはないだろう.....。
だけど、可能性の芽はつぶしておきたいところ。
凛と花陽の関係が悪化するなんて絶対見たくない。
そんな意味を込めてのあの話の持って行き方だったんだけど.....
「りんにもあのくらいおっぱいがあったらなぁ〜たゆんたゆんに揺れるあの姿、羨ましいにゃ」
なんとも予想外で反応しづらい発言に思わずズッコケそうになった。
自分の胸を触りながら寄せてあげてみたり、揉んでみたり.....
(心配してるというのにこの子は....)
真面目に考えていた僕は馬鹿なんじゃないかと思い、なんだかどっと疲れが押し寄せてきた。
はぁ〜っとため息を一つ。
「ん?どうしたの春くん?」
「...ううん、なんでもないよ」
「それにしてもかよちん遅いね〜早くスクールアイドルになってるかよちんの姿見たいにゃ〜♪」
「そうだねぇ〜」
さっきまでの重苦しい話は終わり。
いつものようにベッドで転がる凛と、その姿を眺める僕という穏やかでいつも通りの風景が戻ってきた。
「僕としては凛ちゃんのフリフリ姿で歌って踊ってる様子も見てみたいんだけどね~!」
「えぇ!?それは.......は、春くんがどうしても見たいって、かわいいって思ってくれるならりんが着てあげてもいいかな〜なんて」
恥ずかしそうに最後の方だけ小声で言って聞こえないようにしているけど...残念、僕、しっかり聞いてしまいました。
敢えて聞き返さないけど。
「二人がスクールアイドル....きっとすっごく可愛いんだろうなぁ〜」
聞き返さないけど、遠回しにそれとなく伝える。
そんな時、玄関のチャイムが聞こえる。
「あ!きっとかよちんだ!!」といって慌ただしく凛は部屋を飛び出していった。
ふと、時計を見る。5時ちょっと前を指していた。
「か〜よち〜ん!会いたかったにゃぁ〜!!」
「もう凛ちゃ〜ん!いきなり飛び出してきたからびっくりしたよぉ〜!」
なんてほのぼのした会話が下から聞こえ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ