7部分:第一幕その七
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すね。花束があるところを見ると」
スカルピア 「トスカ!?フローリア=トスカか」
エウゼッペ 「はい」
その言葉に首を引っ込めるようにして頷く。スカルピアもその名を聞いて何かを考えたようであったがすぐにそれを厳しい顔の中に消していく。
スカルピア 「神と王家には忠実な女だがあの男の恋人でもあったな。目をつけておいて損はあるまい」
意味ありげに言う。そこで寺院の正門から枢機卿が行列を従えてやって来る。市民も聖歌隊も警官達も恭しく頭を垂れる。スカルピアもそれは同じだ。
スカルピア 「さて」
スカルピアはその中で独白する。
スカルピア 「これからどうするから。思わぬ方向へ話が行くかもな」
こう呟いてから側近の一人に声をかける。
スカルピア 「コロメッティ」
コロメッティ 「はい、何か」
スカルピア 「捜査は終わりだ。マレンゴの勝利への感謝を主とマリア様に捧げた後でファルネーゼに帰るぞ、いいな」
コロメッティ 「わかりました」
教会にいる全ての者が讃歌『テ=デウム』を歌い祈りを捧げる。厳粛なパイプオルガンと詠唱が教会の中を包み込む。その中で幕は降りる。
神である貴方を私達は誉め讃え
主である貴方を私達は信じます
全ての者は永遠の父である貴方を崇めます
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