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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第八話 南西諸島攻略作戦(前編)
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期待に添えなかったようで・・・。」
「そんなことないよ。まぁ、うちらも同じだったからね。」
「ええ。生まれてからここでこうして一緒になるまでほとんど姉妹の事なんて覚えていなかったのですわ。」
「そうだったんですか?」
「そうじゃ、おぬしもその姉妹とやらを見れば記憶が戻るのではないか?」
利根はそう言ったが、紀伊には自信がなかった。何故なら今までに話をしてきた艦娘は大なり小なり今までの記憶を覚えていたのだが、自分にはそういうものが全く欠落していたからだ。姉妹艦だというその人を見てもはたして取り戻せるのかどうか・・・・。
 それにしても奇妙だ。周りは佐世保鎮守府にいるその新鋭艦娘が自分の姉妹艦だと噂しているのに、当の本人は姉妹がいるかどうかすらもわからないのだから。
 紀伊は無性に寂しさを覚えていた。
 と、その時第6駆逐隊の4人が近寄ってきた。
「おう、おぬしたちも座るか?」
「はい!いいですか?」
「どうぞ。歓迎しますわ。」
熊野と鈴谷が席を開け、4人は紀伊の周りに座った。
「ごめんなさい。あまりお話もできていなくて・・・いつかはお礼をと思っていたのに。」
紀伊が謝ると雷が手を振った。
「お礼なんていいのに。先日の試合とってもかっこよかったわ。私たちも見ていたんだから。」
「それに、一昨日の作戦もとってもかっこよかったのです!」
「ヲ級を日向先輩と一緒に撃破して、おまけに鳳翔さんと一緒に間一髪のところを艦載機で敵を攻撃したのよね!!」
「Хорошо。」
「それは・・・・。」
紀伊は緩やかに首を振った。
「私の力じゃありません。皆が私に教えてくださったこと、私に与えてくださったものがあったからこそ、できたんです。」
「謙遜よ。」
「いいえ。」
そんなことはありません、と紀伊は言おうとしたが、不意に誰かに肩を叩かれて上を向いた。
「何を話しているの?私もいいかしら?」
「足柄さん。」
「お主も来るか、珍しいの。普段は重巡寮にいてこっちにあまりこんというのに。」
「そんなことないわよ。・・・あぁ、いいからいいから、座っていなさいな。」
紀伊が立ち上がろうとするのを足柄が止めた。
「皆にお礼を言いたかったの。川内たちを助けてくれて・・・ありがとう。」
「ほう?どういう風の吹き回しじゃ?」
普段足柄たち重巡艦娘はどちらかといえば、航空巡洋艦娘を敬遠している。なぜならば彼女たちは重巡洋艦並の火力を維持しつつ索敵などに特化した改装を受けているからだ。一歩頭を抜かれたようで面白くなかったのだろう。そんな関係だから、足柄がやってきたとき利根もおやっと思ったのだ。
「あの子たちは私が直接指導した教え子だったの。以前私が佐世保鎮守府に在籍していたころの話よ。こっちに来ることになって離れ離れになってしまったけれど、
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