第八話 南西諸島攻略作戦(前編)
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第三艦隊です。留守については私と赤城、加賀の一航戦を中心に利根、筑摩を補佐とします。」
そして、と鳳翔がさらに読み進めた。
「佐世保鎮守府の戦闘艦隊は前回同様扶桑、山城、最上、三隈、飛鷹、古鷹。南西諸島本島を攻略するのは川内、神通、長月、深雪、白雪、時雨、瑞鳳、祥鳳、加古、青葉、衣笠、それにある新鋭艦が加わります。」
「新鋭艦?」
それまでしんと鳳翔の言葉を聞いていた一座がざわついた。無理もなかった。各鎮守府に配属されている主だった艦娘は誰もが既に知っていることだ。だが、今回新たに作戦に加わる艦娘がいるという。それを鳳翔は新鋭艦としか言わない。一同が興味を覚えるのは当然のことだった。
「ええ。」
鳳翔は言葉少なにそういっただけだが、眼は紀伊の方に向けられていた。
会議が散開した後、各艦隊の旗艦だけが残った。鳳翔は最後の艦娘が出ていくのを見澄ますと、そっとドアを閉めた。
「これから話すことは極秘事項です。」
「なんですか?改まって。」
伊勢が質問した。
「その前に少し待っていてもらえますか?」
鳳翔が黒板脇の机の裏にかがみこみ、何かをいじると、音を立てて黒板が上下に分かれ、巨大なモニターが出現した。鳳翔が機器を操作すると、突然黒い画面が切り替わり、一人の艦娘の姿を映し出した。
「扶桑?!」
伊勢が叫んだ。
『はい。皆様お久しぶりです。ご無沙汰しています。』
扶桑は見る人をほんわかさせるあの笑顔を浮かべた。
「どういうこと?」
伊勢が鳳翔を見た。
「各鎮守府及び軍令部同士で、地下に高速通信ケーブルを張り巡らせ、電波によらない特殊な回線で通信ができるシステムを構築しました。どういうわけか、深海棲艦は通常通信電波の類を解析できてしまいますので。」
「へぇ・・・・。」
伊勢は驚きを隠さない様子でディスプレイを見つめていた。
「今作戦の詳細を討議するにあたっては、佐世保鎮守府の方にも参加していただいた方がよろしいかと思いました。」
『その前に、先日は私たちがご迷惑をおかけしてしまい、大きな損傷を艦隊に与えてしまったこと・・・・深くお詫びいたします。』
「そんなことはありませんよ。空母や戦艦も一部撃破できましたし、戦力漸減になりました。良かったと思います。ところで、皆様はそろっていますか?」
『はい。』
扶桑がわきにどくと、既に向こうの会議室にも各艦隊の艦娘たちがそろって座っていた。
それでははじめましょうかと鳳翔はいい、ここで扶桑らと最終的な作戦の打ち合わせを行った。
「・・・・以上になりますが、何か質問は?」
「あの、このような時にこんな質問をして申し訳ありませんが・・・そちらでも新鋭艦娘がいらっしゃるという話がありますけれど。」
榛名が恐る恐る切り出すと、扶桑は微笑を浮かべた。
『はい。とてもい
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