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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
第95話
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「君が恥じる必要など何一つないさ。貴族連合―――エレボニアが自らメンフィルに戦争を仕掛けた以上、メンフィルと和解する為にああいう形で治める以外の方法は無かった。ユーゲント陛下達もそれをわかって、エレボニアを滅亡の道に歩ませない為にも”戦争回避条約”に調印なさったのだろう?」
「それは……」
アンゼリカの言葉を聞いたリィンは複雑そうな表情をした。
「もしメンフィルが提示した”戦争回避条約”に調印しなかったら、メンフィル・クロスベル連合はエレボニアを滅ぼし、貴族連合に所属する人達を”皆殺し”にしていたかもしれないだろうね。そうなれば、ユーゲント陛下達もどうなっていたかわからないし、貴族連合に所属する人達が犠牲になって、その人達の家族が悲しむ事になっていたに違いない。その意味で、君が果たす役割はすごく大きいと思うよ。」
「………………」
「罪悪感を感じるなとは言わない。それは君自身が向き合うものだろうから。ただ、私達やトワ、もちろん君の仲間達も……君の事を理解している事だけはどうか忘れないでくれ。」
「……アンゼリカ先輩……ジョルジュ先輩も…………ありがとうございます……」
ジョルジュとアンゼリカの慰めの言葉に感謝したリィンは再び頭を下げた。
「フフ、そんなに暗い顔をするもんじゃないよ。後2ヶ月であの”空の女神”に祝福される歴史上初のアルフィン皇女殿下との結婚式だろう?君に降嫁されるアルフィン殿下や将来君と結ばれるアリサ君達を幸せにする事とエレボニアから貰ったクロイツェン州を繁栄させる事こそが君の”義務”だよ。」
「はい……!」
そしてアンゼリカの助言にリィンは力強く頷いた。その後技術棟を出て学院内を見回っていたリィンは裏庭にいるエーデルに気付き、声をかけた。
〜裏庭〜
「エーデル先輩。」
「あら、リィン君。こんにちは。授業は終わったのかしら?」
「はい。えっと……今は”エーデル先輩”ですよね?」
エーデルの言葉に頷いたリィンは恐る恐ると言った様子でエーデルを見つめて訊ねた。
「もう、リィン君ったら……いつも”私達”の身体を荒々しく犯している癖に”私達”の見分けがまだできないのかしら?」
するとその時エーデルは妖艶な笑みを浮かべてリィンを見つめた。
「え”。ま、まさか”カトレアさん”の方ですか……?」
「正解〜♪さすが私の”ご主人様”ね♪」
表情を引き攣らせているリィンにエーデル――――魔族化した事によって具現化したエーデルの裏の人格であるカトレアはからかいの表情でリィンにウインクをしたが
「こーら。学院に通っている間の身体の主導権は”私”だって、約束したでしょう?えっと、ごめんね?カトレアが混乱させちゃって。」
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