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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
第92話
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「ユーシス……」
「………………」
不安そうな表情をしているエリオットの疑問に迷う事なく答えたユーシスをリィンとマキアスは辛そうな表情で見つめていた。
「それにパント臨時宰相はわざわざ俺の為にユーゲント陛下達やリウイ陛下達に交渉して、没収された公爵家の財産の5分の一を俺に返還してくれた上本来”男爵”の爵位が授けられるはずであった俺に”子爵”の爵位を授けるようにしてくださった所かリィン―――”シュバルツァー家”がクロイツェン州の統括領主を務める事によって多忙になる為、別の担当者に与える予定であった”セントアーク地方”の領主権限を与えてくれるようにして下さったのだ。むしろ俺は今でもパント臨時宰相に感謝している。」
「クロチルダさんが自分からメンフィルに投降して来た事で、ユーシスさんがサインした誓約書に込められてあった”エレボニアの誠意”という意味が無くなった為、本来なら誓約書通り士官学院を退学する必要がないにも関わらず誓約書通りに実行するエレボニアとメンフィルに対するユーシスさんの誠意の評価を理由にし交渉した件ですね……」
「もしかしたら処刑されたアルバレア公爵夫妻の遺体を利用した事でのユーシスさんに対する”詫び”の意味で、ユーゲント陛下達やリウイ陛下達に交渉したのかもしれませんわね……」
ユーシスの話に続くようにプリネは静かな表情で答え、セレーネは重々しい様子を纏って推測を口にした。
「アンゼリカ先輩やパトリックにとってはショックだろうね……実家の爵位が下げられた上統括領主じゃなくなったし。」
「ですが”四大名門”は貴族連合の中枢部だったのですから、貴族連合に所属していた他の人達よりも処罰を厳しくしないと、内戦に巻き込んだ民達やメンフィルに対する”示し”がつきませんから仕方ありませんよ。」
「そだね。というかエヴリーヌ達からしたらむしろ甘いくらいの処罰だよ。王様に逆らった奴なんて家族みんな纏めて”処刑”で、女達は娼館送りがエヴリーヌ達にとって常識だし。」
複雑そうな表情をしているエリオットにツーヤは静かな表情で指摘し、エヴリーヌの口から出た物騒な発言にリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「……そうなのか?」
「ええ。私達の世界―――ディル・リフィーナは国によっては先程エヴリーヌお姉様が仰っていた処罰を実行している話はよく聞きます。ただメンフィルは余程の事が無い限り一家郎党処刑や娼館送りはしませんが……」
「”殲滅天使”がわたし達の前で発表した”戦争回避条約”を知った時は幾ら何でも理不尽だって思っていたけど、むしろ異世界からしたらあれでも甘い処罰方法だったみたいだね。」
「うむ……遥か昔のゼムリア大陸の国家でもそのような余りにも惨い処罰方法があった話は知ってい
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