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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
第91話
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が救いの手を差し伸べる可能性を確実にした』と、お父様は仰っていました。」

「それは……」

「ただでさえ”百日戦役”の件でエレボニアはリベールに対して”負い目”があるのに、メンフィルとクロスベルに奪い取られた領地とザクセン鉄鉱山の鉱山権の一部をリベールのお蔭で返してもらった”恩”があるからね〜。少なくてもその”恩”を返せるような機会が訪れるまではエレボニアはずっとリベールの味方をしなければならないだろうね〜。」

「もしかしてアリシア女王陛下はその為に『西ゼムリア同盟』を提唱したのかな……?」

メサイアの説明を聞いたガイウスは真剣な表情になり、ミリアムは疲れた表情で答え、エリオットは複雑そうな表情で呟き

「いえ、アリシア女王陛下の慈悲深い性格を考えれば恐らくそこまでは考えていないと思います。勿論メサイアさんが仰った事も考えていたかもしれませんが……少なくてもエレボニアに領地とザクセン鉄鉱山の鉱山権の一部を返還させた事は純粋にエレボニアと友好を結んでいるリベールの”王”として嘆願したのだと思います。」

「それに”不戦条約”を提唱した事も考えれば打算の為だけにゼムリア大陸の平和を望む人ではありませんよ。」

「そ、そうよね。」

エリオットの疑問をプリネとツーヤはそれぞれ否定し、二人の意見を聞いたアリサは安堵の表情をした。

「……アリシア女王陛下やリベールにどんな思惑があったかわからないけど、そのお蔭でエレボニアは領地とザクセン鉄鉱山の鉱山権の一部を返還してもらえた。それだけは”事実”なんだから、アリシア女王陛下には感謝すべきだ。」

「……確かにそうだな。」

「それに受けた”恩”を返すのは人として当たり前の事なんだし、エレボニアの為にあそこまでしてくれたアリシア女王陛下はエレボニアでも称えられるべき人だな。」

静かな表情で語ったリィンの言葉にユーシスとマキアスはそれぞれ同意した。

「フフ……皆さんの知りたい事は全て答えましたから、私は一端失礼しますわね。」

そしてリィン達の様子を微笑ましく見守っていたメサイアはリィンの身体の中に戻った。
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