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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
第91話
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で正妃の次に高い位を持つ”第一側室”やその関係者に危害を加えれば、今度こそ自分達が滅ぶ事は目に見えていますし、お父様の側室であるユーディット様が自分達の事を庇ってくれているからこそ自分達は今も貴族でいられる事はわかっているでしょうから。その為にお父様はお母様を含めた他の側室の方達とも話し合ってユーディット様を”第一側室”にしたと仰っていました。」

「そ、そこまで考えていたの!?」

「……ちなみにユーディット殿はその事をご存知なのか?」

リィンの質問に答えたメサイアの話を聞いたアリサは驚き、ラウラは真剣な表情で訊ねた。

「ええ。ちなみにこれは余談なのですがユーディット様に訊ねて答えてもらった事なのですが、ユーディット様はお父様に持ちかけた取引――――ユーディット様がクロスベル皇家に対するカイエン公爵家の”忠誠の証”としてお父様に嫁ぎ、カイエン公爵家を保護してもらう取引をお父様が断る可能性はほぼ”ゼロ”であると確信していたそうです。」

「なっ!?ど、どうして確信していたんだ!?」

「”黄金の戦王”がリィンみたいに好色家だからじゃないの。」

(だから、何でそこで俺が出て来るんだよ……)

メサイアの話を聞いたマキアスは信じられない表情をし、フィーはジト目で呟き、フィーの言葉を聞いたリィンは疲れた表情をしていた。



「それも理由の一つですが、一番の理由はラマール州の統括領主であった”カイエン公爵家”にお父様達―――クロスベル皇家に忠誠を誓わせる事ができれば、ラマール州の貴族や平民の大半が納得してラマール州の領地経営をやり易くできる上、本来なら爵位剥奪どころか一家郎党処刑されてもおかしくない立場である”カイエン公爵家”を救った所か配下として新たな国造りに携わらせた事で、国内の人々は当然として、諸外国に対してもクロスベルが簒奪者の国ではなく慈悲深く、また懐が広い国であると印象付ける事もできる為、自分が持ち掛けた取引に応じてくれる可能性は極めて高かったと仰っていました。」

「………………」

そしてメサイアの口から語られた驚愕の事実を聞いたリィン達は絶句し

「そ、そこまで考えてメサイアのお父さんに取引を持ちかけたなんて……」

「あのカイエン公のご息女とはとても思えない程思慮深い方ですね……」

「ユーディット嬢は社交界でも”才媛”と名高い事で有名だが……兄上と同等―――いや、それ以上の慧眼の持ち主だな。」

我に返ったエリオットは表情を引き攣らせ、エマは戸惑いの表情で呟き、ユーシスは真剣な表情で呟いた。



「ふ〜ん……なるほどね。要するに自分達の状況がわかっていない無謀で厄介な反乱分子をエレボニアに上手い事押し付ける事ができる上世間からしたらクロスベルが寛大な心を持っている
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