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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
第90話
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〜トールズ士官学院・1年Z組〜
「早いよね……もう自由行動日か。」
「ええ、もう少し先のようなつもりでいたけど……」
「内戦が終結してからエレボニアどころか西ゼムリア大陸には様々な出来事がありましたからね……時間が経つ事を早く感じるのも仕方ありません。」
エリオットとアリサの言葉に続くようにプリネは静かな表情で呟いた。
「その中でも一番の出来事はやっぱ先月に各国が調印した『西ゼムリア同盟』だよね〜。」
「リベール王国のアリシア女王陛下が提唱した『不戦条約』に続く抑止力を持つ新たな平和条約か。」
ミリアムの言葉に続くようにラウラは静かな表情で呟き
「リベール王国、エレボニア王国、レミフェリア公国、クロスベル帝国、メンフィル帝国、ノルド精霊共和国が調印した『国家間で外交問題が発生すれば、必ずその問題を当事者である国家間同士で―――特に武力で解決せず、条約に調印した国家も交えて解決する。』事を謳う条約ですね。」
「『不戦条約』と同様強制力はありませんが、この条約に調印したにも関わらずそれを無視するような事をすれば、その国家は他の国家から白い目で見られ、信用を無くす事になりますからね。」
「しかもゼムリア大陸全土の多くの人々が崇めている”空の女神”―――エイドスさん自身が出席している所で調印された条約なのですから、そう簡単に無視する事はできないでしょうね。」
エマとプリネ、ツーヤはそれぞれ内容を思い出しながら答えた。
「あの条約のお蔭でエレボニアは色々な意味で救われたよな……」
「ええ……特に旧二大国―――エレボニアとカルバードに対して戦争を仕掛けたメンフィルとクロスベルから贈与してもらう予定だったエレボニアの領地の放棄する代わりに各国への”信頼の証”として”戦争回避条約”によってメンフィルとクロスベルに贈与されたエレボニアの領地の一部とザクセン鉄鉱山の鉱山権をそれぞれから12、5%ずつ―――つまり25%もの鉱山権を返還してくれるように嘆願してくれて、それらに二大国が応じて領地や鉱山権の一部が返還された事はエレボニアにとっては様々な意味で助かったでしょうね。」
「加えてあの条約がある限り、他国が衰退したエレボニアに侵略しようと考える可能性を大きく減らせられるしな。」
「ヨアヒムの時でもオリヴァルト殿下達の説明をすぐに信じて援軍を出してくれたし、アリシア女王陛下には何度感謝しても足りないよね。」
「ああ……”百日戦役”からまだ12年しか経っていないにも関わらずエレボニアの為に色々としてくれたしな……」
「フフ、アリシア女王陛下の慈悲深さはわたくし達も見習わなければなりませんわね。」
マキアスとアリサは安堵の表情で呟き、ユーシスは静かな表情で呟き、
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