東京冬木同郷会主催パーティー
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らば、それがここで仕掛けるという悪手を打つとは思えなかった。
「で、護衛は何人ほど用意しているの?」
運転しているアンジェラ書記官が話に加わる。
彼女は招待されていないので、こちらで招待状を用意したのである。
なお、そのお礼としてこの車には合衆国国旗がはためいている。
ついでに言うと、フォーマルドレスでの運転は見ていてかっこいい。
「私と絵梨ちゃんにそれぞれSPを二人ずつ。
車は二台運転手付きで。
アンジェラさんの方は自前で用意できるでしょう?」
「ええ。
ミス若宮。
うちはそれに四人追加でSPを用意できるわ。
こちらからも一人ずつ二人につけさせて頂戴」
アンジェラ書記官の本気度に私と若宮分析官が乾いた笑いを浮かべる。
それだけ、この一件でアメリカがピリピリしている証拠である。
日本側はこのアメリカのピリピリ具合に終始押されっぱなしである。
「到着。
じゃあパーティを楽しみましょうか」
楽しそうな声をあげながら、アンジェラ書記官の目はまったく笑っていなかった。
「冬木大災害からの復興は多くの皆様の協力があって続けられています。
我々は、この災害を忘れること無く……」
壇上では冬木市長が演説をしている。
もちろんこの手の演説をまともに聞いている人などそうは居ない。
適度に聞き流して、もっていたグラスのノンアルコール飲料を味わっていたら、後ろから声がかけられた。
「こんばんは。
少しよろしいでしょうか?」
私の周囲には日米の護衛三人がつけられていたはすである。
その三人がいつの間にか外されていた。
魔術万歳といった所だろう。
「ええ。
ここでは何ですから、テラスの方でお話しませんか?
遠坂凛さん」
振り向くと、赤いドレスを身にまとったとても良い笑顔の遠坂凛が居た。
こちらも良い笑顔で彼女をテラスに誘う。
演説の最中だが、テラスに出ると彼女の笑顔から怒気が揺らぐ。
「どういうつもりなのかしら?
神奈の占い師さん」
「どういうつもりもなにも、せめて何に怒っているのかこちらに教えていただかないと」
「貴方が政府機関の連中と一緒にいる事よ!!」
なるほど。
彼女はしっかりと魔術師としてここに来ているらしい。
ならば、その間違いを訂正してあげないといけない。
「当たり前じゃないですか。
神奈は占い師として権力者の側に寄り添う一門です。
根源なんぞに興味がないあなた方から見れば半端者だからこそ、政府側についてるんですよ」
返事を返しながら私は遠坂凛を見据える。
彼女の顔が、私の視線に怯んだ。
「せっかくですから、こちらもお聞
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