第20話 Wonder zone
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パスのアンケートの結果、中学生の入学希望者がとても多かったのです」
「それは.....ありがとうございます」
「いえいえ、あなた達のおかげよ。本当にありがとう」
音乃木坂を存続できた.....
嬉しくて今にも叫びたい気分だ
「ただし」
「ただし?」
「まだ他の生徒には言わないように慎んでほしいのです」
情報漏洩の阻止...ってことか
「わかりました。ですが、そのことをなぜ俺に?」
「あなたは音乃木坂の生徒ではありますが、男性という特殊な生徒でもあるのです」
「はぁ.....」
理事長は何が言いたいのかわからない
「音乃木坂学院存続になる。つまり、共学化にする意味がなくなる......ということになります」
本当に何を言っているのかわからなかった
共学化にする意味がなくなる.....
俺はあくまで共学化目的の試験生徒だ。ということは....
「ここから出ていけ....と、あなたはそう言いたいんですか?」
言い過ぎではあるが遠まわしに言っても意味が無いので単刀直入に聞く
「そこまで言ってないわ。ただ、もしかすると音乃木坂から違う学校へ転校になる可能性がある、ってだけよ。先ほど渡した封筒にはその件について両親へ渡してください。」
「存続の確定はいつになりますか?」
「予定では文化祭の後.......10月15日です」
「そうですか.....わかりました。失礼します」
俺はしっかり礼をして理事長室を出る。
「くそっ!!」
俺がここに来た目的は確かに学校存続させるためだ。
その目的は達成されようとしている
実際俺もそうなって欲しいと思っていた
だけど、達成されたあとのことなんてこれっぽっちも考えていなかった
封筒にぐしゃぐしゃに握り潰し、苛立つ
もし...俺が音乃木坂を離れることになったら
あいつらに会えなくなるんだな.......
最初はここまで関わるつもりはなかったのに気がつけばあいつらが隣にいることが当たり前になっていた
あいつらと一緒に練習して喋って笑いあって喜んで...
俺が出来なかったことをあいつらはやってくれたんだ
もしかするとこれからも一緒にいられる
そんな思いまであったかもしれない
急に寂しい気持ちになった
「会えない......か」
『心配しないで、もう会えなくなるわけじゃない。きっといつか.......また会えるよ』
え?
ふと頭に浮かんだ一言
あぁ......これ
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