暁 〜小説投稿サイト〜
トスカ
4部分:第一幕その四
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
   「あら、この絵は」
カヴァラドゥッシ「マグダラのマリアだよ。どうかな」
トスカ      「(不機嫌な顔になって)あまり好きになれないわ」
カヴァラドゥッシ「それはまたどうしてだい?」
トスカ      「だって金髪に青い瞳だから。茶色の髪と黒い瞳じゃなければ駄目よ」
カヴァラドゥッシ「おいおい、それは君のことじゃないか」
トスカ      「それでもよ。私はそうじゃなければ駄目なのよ」
カヴァラドゥッシ「(苦笑いを深めて)全く、君らしいというか」
トスカ      「悪いかしら」
カヴァラドゥッシ「いや、別に」
トスカ      「そう。それにしても何か」
 まじまじと絵を見やる。
トスカ      「誰かに似た絵ね」
カヴァラドゥッシ「マルケサをモデルにしたんだ」
トスカ      「マルケサ!?アッタヴァンティ侯爵夫人のことね」
カヴァラドゥッシ「そうだよ、彼女は幼馴染だしよく知ってるしね」
トスカ      「マリオ・・・・・・」 
 見る見るうちに不機嫌な顔になって彼に問うてくる。
トスカ      「貴方ひょっとして」
カヴァラドゥッシ「ちょっと待ってくれフローリア、彼女は単なる幼馴染だよ。それでどうして」
トスカ      「わかったものじゃないわ。あの人は美人だし情友までいらっしゃるもの。貴方とも何時情友の関係になるかわかったものじゃないわ」
カヴァラドゥッシ「そんな馬鹿な。僕にとっては妹みたいな存在なのに」
トスカ      「本当かしら」
カヴァラドゥッシ「本当だよ。信じてくれないのかい?」
トスカ      「そうね」
 ここで探る目を作る。そのうえで言う。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ