第16話 やりたいことは
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言われたわ.....」
「お礼?」
「ええ、私はこのままオープンキャンパスまでずっと基礎ばかり続けさせるつもりよ。いつか根を上げると思うから。でも、根を上げるどころかやる気に満ちた目をしていて.....」
「えりち......」
なるほど....絵里先輩の性格ならいくら嫌な事でも意味のない事はしないはず。だから彼女たちに足りない基礎ばかりやらせて絵里先輩の指導はもういらないと言わせたいのだろう.....
「絵里先輩はやっぱり彼女たちの事をなにも分かってないみたいですね」
「え?どういうこと?」
「その証拠に今言ったじゃないですか『根を上げる』って。あいつら...絶対根を上げたりしませんよ」
「.....そう。でも私はこのまま続けるわ、いいね?」
「絵里先輩のご自由に」
そう言って、資料に目を戻す。
「お疲れ様でした」
作業が終わったのは6時を過ぎてからだった。あたりは薄暗く校舎には誰も残っていないのかしんと静まり返っていた。
生徒会室を出て、階段を降りかけたところで端に誰か立っているのが見えた。
「.........ことり?」
「大地くん、一緒に帰ってもいい?」
「あ〜今急いで帰りたいから、また今度じゃダメか?模試が近いんだ。」
「一緒に帰ってお話していい?」
「いやだから急いで--」
「おねがぁい?」
「........わ、わかりました」
「ふふっ、大地くん優しいね。ありがと♪」
ことりは天使.....じゃなくてもしかすると小悪魔かもしれないと思った。
「え?俺の夢はなにか?」
「うん、大地くんはどんな夢を持っているのかな〜って」
夕方の住宅街に男子生徒女子生徒が2人で帰る姿。傍から見るとカップルに見えてしまう。そんなことを考えている最中、ことりは俺の夢はなにか...と尋ねてきた。
「夢....かぁ。あんまり考えたことなかったな〜」
「そうかぁ〜。聞きたかったな〜大地くんの夢。」
「ごめんね、もし夢を見つけたら真っ先にことりに教えるよ」
「ほんと?楽しみにしてるね」
ことりは笑っていた。でもそこはかとなく寂しげな目をしていた。
なにかあるな.....と直感で感じた。
「私ね、夢があるんだ。それも小さい時から憧れていた夢」
「よかったら聞かせてもらえるか?」
「.....私はね、将来服飾の仕事に就きたいんだ〜」
ことりはどこか遠くをみてゆっくり語り出す
「衣装作りしているからもしや、とは思ったけど..そうだったんだ」
「うん。でもその仕事に就くのに乗り越えなきゃいけない
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