第二章 理想の少女
厄介な人物
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しては、特にアリシアがあのシャーロットという少女に“情”を持ちすぎて自身の身を危険に晒さないかが心配だ。
ああ見えてアリシアは正義感が強く直情的だ。
そして情が深い。
その性格はあアーノルドにとって好ましいものではあるが、今は、そんなものがなければと思わざる負えない。と、
「さて、出来た。今日は焼きたてのクロワッサンが安売りだったの」
そう言って嬉しそうに更にクロワッサンを山盛りにしていくアリシアを見ながら、誰がいくつ食べるのかと聞くべきかアーノルドは迷った。
そこで窓の外が急に暗くなる。
大きな雲がこの建物の上空に来たのかとアーノルドは思いたかった。
だがそれはすぐに否定される。
するすると窓の外に縄梯子が降りてくる。
怪人でも降りてくるような錯覚を覚えたアーノルドだが、確かに彼はこの歳の新聞を賑わせている人物であり、そういった意味でも“怪人”と言って良いのかもしれない。
アーノルドにとってはとても面倒くさい人物だ。
案の定現れたその人物は白いタキシードに身を包んでいた。
彼は外からアーノルドに向かってにこやかに笑いかけ、
「やあ、今日も機嫌が悪そうだね、アーノルド」
そう告げて、無言のアーノルドの答えも待たずに窓を開けて、勝手に事務所に入ってきたのだった。
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