イポウンデーの歓待
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
ット左アタリ」
「それ瀬戸内海じゃねぇか!!」
「外周10キロノ島ネ」
「南セントレア市みたいな立ち位置か!?何でお前片言なんだよ!!」
「?言葉ゼンゼン違ウヨ?」
「開戦て何する気だったんだ!?386人で!!武器とかどうすんの!?」
「天然ノ、武器庫ガアルヨ…」
「怖ぇ!あの辺でミサイルとか作ってんの!?」
「島ノ中心部ニ竹藪ガ」
「終戦直前の疲弊した日本かよ!!」
「竹槍持ッテ国会周辺ヲ包囲トカスルヨ」
「国会を300人で包囲出来ると思ってんの!?ちょっとしたデモ行進のほうが怖いし人数多いからな!!」
「以前チョットダケ開戦シタ時『霞ヶ関駅前で珍騒動』テ新聞ニ掲載サレタヨ」
「国会まで辿り着けてないじゃん!!切ねぇよ!!」
とりあえずお口直しに皇太子とココイチでカレー食って今日は解散した。
今日の事を民俗学をやっている親父に話すと、
「あちゃー、イポウンデーの歓待受けちゃったかー」
と言われた。
「イポウンデーは昔、どっかの小さい国と朝貢関係にあった」
「あれより小さい国?」
「昔は大きかったんだよ。場所も今とはだいぶ違うし。…で、その朝貢に訪れた使者をいびる為に、ありとあらゆる嫌がらせが発達した。俺たちの歓待を断ったら開戦だぞ!という脅しとセットで」
「なにその嫌な国」
「で、使者が訪れるたびに繰り返していた嫌がらせが儀式化してあの形に落ち着いた」
「なんて嫌な着地点だ」
「そんなこと繰り返してたから、その国を怒らせてしまってガチの反乱を受けた。国は散り散りとなり、生き残りが瀬戸内海のどっかに逃げ延びたんだ」
「当たり前だ滅びろくそが」
「その結果、意味は失われて儀式だけが残った。今の若い世代はイポウンデーの歓待を最高の歓迎の形と勘違いしているというのは聞いていたが本当だったんだなぁ…」
「なに人の不幸でしみじみしてんだよ」
「ははは…お前、ニカカニカマカマ食ったのか」
「食わずに済んだ」
「良かったな。あれ食ってたら1週間は臭いが取れないぞ」
「何で!?何でそこまでされて最高の歓待とか思うの!?」
「ニカカニカマカマは一応高級食材だからな。どこの国にもあるだろ、すごい臭い食材が」
皇太子直々、イポウンデーの歓待を受けられるなんて、ごく一部のマニアの間では羨望の的だぞと言われたが、俺はもう二度と歓待を受けたくない。皇太子にも固く禁じておいた。竹槍でも何でも持ってくるがいい。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ