第22話
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オはジト目でロイドを見つめた。
「な、なるほど。でも実際、ここに来るまで結構大変だったわけだし……結果オーライでよかったじゃないか。」
「……………………」
「その、はは………(困ったな、話題がないぞ。)」
黙り込んだティオに対して話題が思い浮かばないロイドは苦笑しながら周囲を見回した。するとティオのエニグマについているストラップが目に付いた。
「そういえば………”みっしぃ”だっけか?随分、気に入ったんだな。そんなストラップまで付けて。」
「ええ………そうかもしれませんね。わたしはあまり物には執着しない性質ですけど………不思議とこれだけはずっと持ち続けていますね。」
「これ、ここに来てから買ったものじゃないのか?たしかクロスベルのご当地キャラクターだろう?」
「これは貰ったものです。5年くらい前に、ガイさんから。」
「………――――え。」
ティオの口から亡き兄の名前が出た事に驚いたロイドは思わず呆けた声を出した。
「ガイ・バニングス…………ロイドさんのお兄さんですよね?」
「え、ああ、いや………もちろんそうだけど………ティオって―――兄貴と面識があったのか!?」
「はい。」
「し、知らなかった………何だよ、だったらもっと早く言ってくれればいいのに!でも、ティオは確かレマン自治州から来たんだろ?どうして兄貴と――――あれは………ティオの事だったのか……!」
ティオの話を聞いたロイドは首を傾げたが、ある事―――生前のガイが突然レミフェリア公国へ数ヵ月出張した話を思い出して声をあげた。
「多分、そうです。わたしが9歳の時………レミフェリアにある実家までガイさんに送ってもらった時ですね。」
「レミフェリア……ティオの出身はそこなのか。」
「はい。といっていも、あまり思い入れがある故郷ではありませんが………もうほとんど捨ててしまった場所ですし。」
「え………その、ティオのご両親は?」
「元気だと思いますよ………?3年前に家を出てからほとんど連絡を取ってませんけど。」
「…………………」
ティオの説明を聞いたロイドは真剣な表情で黙ってティオを見つめ続けていた。
「―――ある事情でわたしは5歳くらいの時から行方不明の身の上でした。ガイさんに保護され………衰弱していたわたしはウルスラ病院に半年ほど入院していました。そして何とか回復した後………実家まで送ってもらったんです。」
「そう、だったのか………でも………どうしてまた家を出たんだ?」
「ふふっ……―――ロイドさん。わたしが普通の人間と少し違うのはわかりますよね?」
ロイドに尋ねられたティオは静かな笑みを浮かべてロイドを見つめて尋ねた。
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