第52話残酷な兄妹の現実、そして少女の言葉を心を洗って・・・
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さんを泣かせちゃったんだ。仲直りしてくる」
キリトくんはユイちゃんを私達に任せて、ログアウトした。兄として、妹に会うためにーーー
「・・・ユイちゃん」
「どうしたんですか?ライリュウさん」
この沈黙に耐えられなかったのか、ライリュウくんがユイちゃんに声を掛けた。
「ごめんな?」
「え?パパを投げた事なら大丈夫ですよ。私はその時パパの服から出ていたので、別に痛くは・・・」
「いや、そうじゃなくて。それもそうだけど、そうじゃなくて・・・」
彼はユイちゃんに何かを謝りたいのか、口を開いた。キリトくんを投げ落とした事ではなく、何か別の案件のようだ。それも、竜くんがこんなに改まって言う程のーーー
「オレ、SAOでキミの事をヒースクリフに・・・茅場晶彦に教えちゃったんだ」
前にキリトくんに聞いた。《血盟騎士団》団長、ヒースクリフの正体がSAOを、《ソードアート・オンライン》というデスゲームを創った最低最悪のマッドサイエンティストーーー茅場晶彦だった。茅場はゲームマスターとして世界を監視しているのではなく、正体を隠しプレイヤーとしてデスゲームを生きる人達を見ていた。
竜くんは記憶をなくしていたユイちゃんの事を茅場晶彦に教えた事を悔やんでいた。
「茅場は普通にGM権限を行使する事が出来た。つまり・・・ユイちゃんを消せたかもしれないんだ・・・」
「ライリュウさん、私の事が茅場晶彦に知られていなくても、私は《カーディナルシステム》に存在を抹消されていました。だからライリュウさんが気にする事は・・・」
「だとしてもだ!!」
突然大声を挙げた竜くんは両手と膝をつき、頭を下げる。土下座、という謝罪などの気持ちを示す行為である。
「オレは茅場にキミの存在を知らせた!SAOで、キミからキミのパパやママを奪ったのは、キミから家族の時間を奪ったのは《カーディナルシステム》でも茅場でもない・・・オレだったんだ!ずっと、ずっとキミに謝りたかった!もし会えた時に、この事を伝えた時に嫌われても文句は言わないって思ってた!キミの事を思うと、胸が・・・張り裂けそうなくらい痛かったんだ・・・!!」
竜くんはずっと謝りたかったんだ。ユイちゃんから家族の時間、温もりを奪った事に。彼は心は、その業という刃をずっと突き付けられていたんだーーー
「怒ってませんよ」
「!?ユイちゃん、その姿は・・・」
ユイちゃんは優しくそう答え、全身に光を纏った。光が消えた時には小さな妖精ではなく、人間の9歳から10歳くらいの白いワンピース姿になっていた。これはSAO時のーーーこの少女のかつての姿。その姿になったユイちゃんは竜くんをーーーそっと抱き寄せた。
「ライリュウさんが私の事で責任を感じてるってパパから聞き
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