第52話残酷な兄妹の現実、そして少女の言葉を心を洗って・・・
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「早おあの二人止めなアカン!頭に血が上っとる!」
「ライリュウくん!キリトくん!ちょっと落ち着いてよ!」
リーファちゃん、ライト、キャンディ、私がロケットの如く飛び出した二人を呼び止めようとするけれど全く耳を貸すつもりはない様子で、二人は速度を落とす事なく空を駆ける。二人共、気持ちは分かるけどここは落ち着かないとーーー
「オレここにいるけど!?」
『えっ!?』
「じゃあ今キリトと一緒に行ったのは・・・」
ライリュウくんが今ここにいるという事は、先程飛んで行ったのはキリトくんとライリュウくんではなく、キリトくんとーーー
『ミスト!?』
神鳴未来を愛していた男、霧島弾。私達は急いで背中に妖精の羽を出し二人を追う。キリトくんは元々速いから止まらない限り追いつけないけど、ミストは今までとは比べ物にならないくらいのスピードを出してる。そのまま二人は雲を突き抜けーーー
「気を付けて二人共!すぐそこに障壁があるよ!」
先日GMが設定したシステムの障壁に激突した。それにより反動で後退した二人をライリュウくんが押さえつける。
「一回落ち着けよお前ら!」
「落ち着けるか!!今すぐあの上に行かなきゃいけないんだ!!」
「じゃあ逆に聞くがなんでお前はそこまで冷静なんだよ!?あの上にいるのはお前の妹じゃねぇのか!!」
「いいから落ちつけってんだよ!!」
ライリュウくんが止めようとしてもキリトくんとミストは強く抵抗し、ライリュウくんは二人の胸ぐらを掴み二人を樹の根元のドーム前まで投げ落とす。ライリュウくんはすぐに二人を追って、二人が落下地点に落ちた所を取り抑える。
「ライリュウお前!二人を助けに来たんじゃないのか!!」
「あぁ助けに来たよ!でも今突っ込んでも二人に会えるかどうか分からねぇだろうが!!」
「お前そんな冷静な奴じゃないだろ!《ナーヴギア》被ったまま病院のベッドで眠ってる妹が目の前にいるんじゃないのか!!」
私達もライリュウくんにやっと追いついてこの喧嘩を目の当たりにしている。ライリュウくんはキリトくんと同じく、未来ちゃんとアスナさんを助けに来た。ミストもライリュウくんも、救いたい人は同じなのに今こうして無意味な喧嘩をしている。確かに家族が目の前にいるかもしれないのに、冷静でいられるのがおかしくない訳じゃないけどーーー
「冷静な訳ねぇだろ!!オレだってすげぇ焦ってんだよ!!二人はお前らが惚れた女達だってのは分かるし、今すぐ行きてぇって気持ちも分かる!!でも須郷がオレ達に気付いてアカウントを削除したり、二人に何かされたらどうすんだ!!弾!!和人!!」
『!!』
ーーーライリュウくんは、竜くんは決して冷静なんかじゃなかった。
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