239
[8]前話 [2]次話
寂しさに
戸口を引きて
眺むれば
夏草香る
夜となりけり
独り部屋にいると、どうしても彼のことを想ってしまい…その寂しさに居た堪れず外へ出た…。
少しばかり湿り気を帯びた風が吹き、夏草の強い匂いが夜を覆っていた…。
あぁ…夏が来たのだな…彼の居ない夏が…。
そう感じ…その虚しさに溜め息を洩らすことしか出来なかった…。
星の降る
空を見上げて
夢見しも
朝の光りに
露と消えにし
星々が競うように瞬く真夜中の夜空…。
そんな美しい空を見上げていると、彼との未来を夢見て…その星影に希望を描いてしまう…。
彼と一緒に暮らせたならば…彼と一緒に四季を眺められたなら…彼と一緒に生きれたならば…と。
叶いもしないそんな夢は…明日の朝日が差し込めば、夜露のように儚く消え去るもの…。
後に残るのは…ただ侘しく思う心だけだった…。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ