機動戦艦ナデシコ
1359話
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口を開く。
「オープンチャンネルを使って木連に連絡を。私達はシャドウミラーという組織であり、木連との交渉を望むと」
ちなみにオープンチャンネルとしたのは、木連のどこが首都的な扱いなのか分からない為だろう。
普通に考えれば、あの都市型宇宙艦……ああ、なるほど。何か既視感があると思ったら、別に機動要塞であるニヴルヘイムと比べるよりもいいのがあったな。
マクロス世界のマクロス級。
……ただ、マクロス級に比べると大分小さいから、そこまで意識しなかったんだろう。
「向こうはどう出てくるでしょうか?」
あやかの声がブリッジに響く中、木星周辺の宙域は静寂に包まれている。
木連から通信が送られてこないというのは、こっちに敵対心を持っているからという可能性も高い。だが、その割りにはバッタとかカトンボとかが出撃してくる様子がないのも不思議だ。
そんな状況である以上、当然こっちからもイザークやオウカ、無人機といった戦力を出す訳にもいかない訳で。
そのままどのくらいが過ぎただろう。恐らく10分は経っていない筈だ。
そうして……
『こちら、木星圏ガニメデ・カリスト・エウロパ及び他衛星小惑星国家間反地球共同連合体、優人部隊隊長の白鳥九十九少佐であります』
……ヤマダ?
そんな通信と共に映像モニタに映し出されたのは、ナデシコに乗っていたパイロットのヤマダに似た風貌を持つ男だった。
アカツキから木連はヤマダモドキが大勢いるという話を聞いてはいたが……まさか、言動や性格だけではなく、外見までヤマダにそっくりの人物がいるとは思ってもみなかった。
だが幸い、ナデシコとそれなりに親しく付き合っていても、ヤマダと詳しく話したことがあるような人物は殆どいない。
それだけに俺のように驚いている者はおらず、エザリアが口を開く。
「少佐、ですか? 一応こちらは一国を代表して来ているのですが」
『なっ!?』
うん? エザリアの言葉に怒ったのか?
そうも思ったが、白鳥と名乗った男の頬が赤く染まっているのは、怒りよりも照れや羞恥といった色の方が強いように思える。
女慣れしてないのか? ……そんなところまでヤマダモドキじゃなくてもいいだろうに。
そんな白鳥の言葉にエザリアも疑問に思ったのだろう。不思議そうに口を開く。
「白鳥少佐? どうされました?」
『い……いえっ! な、何でもありませんっ!』
頬を真っ赤に染めた白鳥の様子は、どうにも首を傾げざるを得ない。
「そう? それで……今も言ったけど、私達はシャドウミラーという国の者です。貴方達木連との交渉を行う為にやって来ました」
『……シャドウミラー、ですか? その、失礼ですが地球の方々では?』
おや、随分と態度が柔らかくな
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