第10章 エル・ファシル掃討作戦 後編 C 虐殺の先にあったもの
[7/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
包囲開始から10分後
ヴァーンシャッフェ大佐は強行突入を命じた。
作戦は単純そのもので1階の窓ガラスから割って入って、突入 人質の確保を行うだけであった。
シェーンコップ中佐は
「もっと、穏やかに、鮮やかにやりましょう
人質に危害が加わる可能性がありますし、
ただの突入では何とも芸がないですな。」
といったのに対して大佐は怒り狂って、中佐を現場総指揮において自分は駐屯地警備指揮に行ってしまったという。
なんと無責任なことか
と思わずにはいられなかったが、中佐は自分のトマホークを見ながら
「人には向き不向きがあるからなあ」
と意味ありげなにやにやをしていた。
そういうとブルームハルト大尉のほうを向いて
「用意は?」
大尉はにやにやしながら
「もちろん。」
と言って上を指差した。
それから5分後
我々はUH-90中型ヘリの中にいた
近接する第103航空基地から第3中隊と第1中隊の合計15名の自由降下資格を持った隊員たちが選抜されそこから離陸した。
シェーンコップ中佐が
「降下開始!」
といった瞬間に一斉に降下口に走って一気に身を投げだした!
装甲服が風を切る
落下傘開傘はぎりぎりまで待つ
あらかじめの打ち合わせで開傘高度は決める余裕がなかったので各自の裁量で開くことになっていた。
私は着地まで余裕を持たせなくても降下できる自信があったので結構遅めに開いた。
開傘レバーを思いっきり引くとかなりの衝撃でパラシュートが開く
約20m斜め前にはブルームハルト大尉がいた。
調節用のひもを引きながら徐々に目標である「司令部屋上」へ接近する。
その時は西風が強く、結構あおられた
そのため降下した15名のうち2名は着地を断念せざるを得なかった。
それでも、13名は何とか着地した。
私は3番目に着地したのでパラシュートを外して警戒に当たる
屋上の扉では工兵チームが爆破の用意をしていた。
我々の突入と同時にグリューネマン少佐の指揮する大隊とローゼンリッターが突入する。
シェーンコップ中佐が少佐と通信しながらタイミングを計る。
着地してからたったの5分程度であったがかなり長く感じられた。
そして
「突入開始!」
とシェーンコップ中佐が言った瞬間に扉が吹き飛ばされた
ネルソン・アンドロポフ准尉を先頭に一気に階段を駆け下りる。
大将が人質にとられているのは3階の駐屯地司令室という見当はついていたので途中の5,4階には目もくれずに突入する。
3階の扉の前でアンドロポフ准尉が扉をけ破るなりスタンドグレネードを投擲する。
爆発が収まるなり、シェーンコップ中佐とアンドロポフ准尉を先頭に一気に侵入する。
私もそのあとに続いた
シェーンコップ中佐は一気に5人の擲弾装甲兵の間に割って入って一瞬のうちに全
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ