第10章 エル・ファシル掃討作戦 後編 C 虐殺の先にあったもの
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
し、そこであの事件は起きた。
我々は待機室となっていた小屋で装甲服を脱ごうとしたまさにその時だった!
いきなり、警報音とともに
「敵襲!敵襲!
ただちに全警備部隊は駐屯地司令部へ迎え!
繰り返す…」
といった感じだった。
その場でヴァーンシャッフェ大佐とシェーンコップ中佐が直にすぐ手前にいた第3中隊2個小隊と第1中隊2個小隊で現場に向かった。
司令部はそこから10分程度歩いたところにあった。
そこへ着くと周囲は警備歩兵部隊が装甲車を盾に包囲していた。
ヴァーンシャッフェ大佐の命令で私は第3小隊を伴って司令部建屋西側へ回ることとなった。
包囲していたのは第9艦隊第902戦術航空団第197警備大隊であった。
指揮官はラスコー・グリューネマン少佐
少佐から状況をその場で説明された
まず、式典終了後司令部幕僚を伴って司令部に帰ってきた大将を報道陣が取り囲んだそうだ。
まあこれはいつものことで特別警戒していなかったそうだ。
しかし、報道陣の中に明らかに様子のおかしいやつが一人いた。
そいつは同盟軍大尉の服装をしていた。
しかし、明らかに顔に緊張がみなぎりポケットに突っ込まれた手は明らかに何かを握っており、目線は大将を刺殺さんばかりに睨み付けていた。
警備兵の一人が気付いて両サイドから1名ずつ接近したところそいつはいきなりポケットからM-769ブラスターを取り出して
「銀河帝国万歳!」
と言って大将に向かって放ったそうだ。
警備兵は反射的にそいつを射殺したが、報道陣の中にいた2,3人が同じくブラスターを出して大将を羽交い絞めにして人質にしてしまったのだ。
第1射目は外れたものの、大将を人質にした奴らは周囲にいた司令部幕僚を6人も打ち殺しやがった。
その中にはこのエル・ファシル掃討作戦において「北部大陸の英雄」と言われたエル・ファシル掃討作戦派遣軍参謀長ロバート・シューリーマン中将、その右腕と称されたエル・ファシル掃討作戦派遣軍作戦部長ローザ・ロス大佐、後方支援部長グレン・マリネスク准将がいた。
大将を羽交い絞めにする奴らと警備兵との間で緊迫した空気が流れたときだった
報道陣の奴ら全員がブラスターを抜いて威嚇しながら大将を盾に司令部内にいた司令部要員30名を盾に立てこもったのだ!
つまり報道陣というのは全くの仮面であったのだ。
基地警備部隊の気が緩んでいたとしか考えられない失態であった。
立てこもる奴らの要求は帝国領への安全な帰還。それだけである。
特殊作戦コマンドは現在掃討作戦が完了し、民事支援作戦と並行した治安維持作戦がいまだに続く東部大陸と南部大陸にいる。
そのため、特殊作戦技能認定を持つ部隊はローゼンリッターしかいなかった。
であるから、我々に期待された任務は当然人質の奪還と状況打開であった。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ