第10章 エル・ファシル掃討作戦 後編 C 虐殺の先にあったもの
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な指揮統率でそれを包囲・撃滅し、中佐の時には歩兵大隊指揮官、大佐の時には第199装甲白兵戦連隊戦闘団指揮官を務めいずれでもそれなりの戦果を挙げていた。
しかし、大将の手法は見方によっては賛否が分かれたものだった。
確かに、短期に作戦は終了するのだが作戦対象外のものまで影響が及ぶのだ。
今回では、民間人であった。
民間人への民生支援も迅速に行われたが、エベンス大将の前の総司令官であったハンナ・ルーシ大将が後方支援士官出身ということもあり結構民生支援を厚くやっていたのを半減させたり、民間人地区の警備体制をきつくしすぎたこと、行政体制が崩壊していると判断した行政には軍司令部から政治担当士官を送り込むなど、民主主義を考慮に入れないことをやってのけたために民間人からは反発が出ていた。
もともと、エル・ファシル自体がリベラルな考えを持つ人々が多くこういった軍が軍事以外に干渉してくるのを非常に嫌がった。
特に問題だったのが、避難民の一時居住場所であった。
仮設住宅自体の数は問題ないのだが、居住スペースがなかった。
そのため、軍はエベンス大将の命令で旧スラム街を強制的に撤去し、そこに作られた仮設住宅に一般の避難民もスラムの人々も住まわせようとした。
これに猛反発を示した一般避難民の代表の一部が暴徒化し、総司令部を襲撃してきた。
当然これをやり過ごした大将は自ら出向き、自ら彼らを説得した。
それでも、不満を持つ一部は大将でも思いつかない方向に走った。
それは
帝国残党軍への協力である。
気がふれたのか、それともたんる軍への反発なのか、帝国軍工作員の仕業なのかはいまだに不明であるが、その仮設住宅地区でのテロが横行した。
これを知った大将は徹底的な治安作戦に出た。
一軒一軒の仮設住宅に抜き打ち調査に入り、帝国軍との関係性のあるものは即行で収容所へ送られ拷問こそなかったといわれるものの徹底した取り調べを受けた。
この取り調べをもとに大将はエル・ファシル出身の民間人と予備役兵で編成される「第1エル・ファシル予備役軽歩兵連隊」とそれを訓練した特殊部隊による掃討作戦を展開し、そこでは捕虜を取ることない徹底した掃討作戦という名の虐殺が行われた。
そういうこともあり、都市部に潜む帝国軍も激しく抵抗したが作戦開始からわずか1か月後には治安は収束した。
この一連の治安作戦での同盟軍特殊部隊と「第1エル・ファシル予備役軽歩連隊」の戦死者72名に対し帝国軍は700人以上、帝国軍に協力した民間人が400人以上殺害されたといわれている。
この徹底さは民間人の過激左派の反発を一層招くもととなり、「エル・ファシル急進左派集団」と憲兵隊にマークされているテロ組織の公表した暗殺者リストの中の1位にエベンス大将は入っていた。
それを見た大将は一笑に付し、記者会見で
「い
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