第七話 偵察任務。その2
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ね!」
「やったっぽい!!」
天津風と夕立が叫んだ。
「早いわ!!その利根たちが偵察部隊を収容した直後、敵艦載機の猛攻撃を受け、応戦中なの!!」
「なんですって!?」
「ヤバいですよ、姉様。」
「ええ・・・・もうそう遠くはない地点まで来ているそうだけれど、間に合うかどうか・・・・・・・・。こんなことならこっちにも正規空母を編入すればよかったかしらね。」
「大丈夫です。」
雪風が言った。
「鳳翔さんや紀伊さんがいます!きっと、間に合いますよ!」
「だといいけれど・・・いいえ、間に合わせて見せる!」
ビスマルクはきっと顔をひきしめた。
「この状況を・・・・鳳翔さんたちに報告して、私たちが何とか食い止めるしかないわ!!急いで!!」
この報は鳳翔たちにも届いた。
「艦載機の子たちが間に合うことを祈るしかないわ。」
鳳翔がつぶやいた。利根たちとの連絡は取れていない。深海棲艦の発する妨害電波の影響だ。したがって、筑摩の偵察機が発見したという敵の別働部隊の情報も、この時には鳳翔たちは知らなかった。
「早く急行しなくてはならない。急がないと。」
「待ってください!」
紀伊が3人を制止した。
「なんだ?」
「敵の動き・・・・少し変だと思いませんか?」
「なに?」
「ここは敵の制海権の真っ只中です。その気になれば敵は偵察部隊などすぐに叩き潰せるはずです。にもかかわらずまだ1人も轟沈していません。利根さんたちの練度が高いことが原因だと思いますが、それだけではないような気がします。なぜか私には手加減しているように思えるんです。」
「どういうことだ?」
「なんとなくですが・・・・時間稼ぎをしているような気がします。」
「時間稼ぎですって・・・・?でも、そんなことに何の意味が・・・・まさか!!」
足柄が息をのんだ。
「別働隊・・・・。」
鳳翔がつぶやいた。
「はい。その可能性は十分にあります。おそらく掩護艦隊の到着も視野に入れ、一気に一網打尽にする作戦だと思います。」
「となると・・・・。」
日向が急いで海図を頭に描いた。
「東若しくは南東か。」
「はい。そこにおそらく、敵の空母が。艦載機を発艦するのには敵から距離を置いていること。そして確実に仕留められる包囲網を形成すること、これが条件です。」
「なるほど・・・・。」
「そこで、私に一つ提案があるのですが・・・・・。」
紀伊は話し出した。
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