機動戦艦ナデシコ
1358話
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司の軍人はほっと安堵の息を吐く。
何だかんだで、結構緊張していたらしい。
「それで、その……私が何か持っていくべき物はありますか? もしあるのであれば、今のうちに教えて欲しいのですが。準備をしませんといけませんし」
「特にないわね。連合軍の軍人として問題ない状態であれば、そのままで結構よ。食事の類もシロガネの方で出せるし。ああ、でも武器の類は……どうするの?」
尋ねてくるエザリアの言葉に悩む。
実際問題、自衛の為の武器は持ちたいというのが向こうの本音だろう。
だが、木連と交渉なり会談なりをする上では連合軍の軍人が武器を持っている状況というのは良くない。
かといって手ぶらで木連との会談や交渉に参加させると、木連の連合軍や連合政府に対する恨みから考えて最悪ヨシサダが殺されかねない。
量産型Wを護衛としてつけている以上、基本的に危険はないと思ってもいいのだが、それでも絶対って訳じゃないしな。
ヨシサダは温厚な性格をしているし、その辺を考えれば……
少し考え、やがて口を開く。
「武器の持ち込みも許可しよう。ただし、可能な限り武器を使わないように心掛けてくれ。何かあっても、基本的には量産型Wが何とかするのは間違いない。量産型Wはそれだけの力を持っているから、基本的には身の危険を心配する必要はない」
そうして告げた言葉に、軍人は安堵の息を吐き……だが、それを遮るようにヨシサダが口を開く。
「シャドウミラーの量産型Wというのは、それ程の力を持っていると? それこそ、アクセル代表が自信を持っている程にですか?」
「うん? ああ。量産型Wの性能は生身の戦いでも、機体を使った戦いでも、この世界の軍人の殆どより上だと思う」
この世界の軍人全てよりも圧倒的に上だと言うつもりはない。
一部の天才は量産型Wを上回る能力を持っているのは間違いなく、その力を侮るつもりはない。
純粋に機体性能を考えれば、シャドウに勝つ機体はないだろうが……さて、その辺を連合軍も理解しているのかどうか。
そんな俺の考えは、次のヨシサダの言葉によって一瞬だけ意表を突かれる。
「では、結構です。私は武器を持ち込みません。護衛に関しては全面的にシャドウミラーにお任せします」
「ムネタケ少将!?」
ヨシサダの言葉に真っ先に反応したのは、俺やエザリア、それ以外のシャドウミラーの面子ではなく、ヨシサダの上司の軍人だった。
「中将、私の役目を考えると、木連の方々に疑念をもたらすような事はするべきではありません。それにシャドウミラーの実力というのは私よりも中将の方が余程ご存じでしょう?」
「いや、だが……」
「これは、連合軍の為であるのと同時に、私自身の為でもあるのですよ。正直、私は見ての通りそろそろ年ですしね。実
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