機動戦艦ナデシコ
1358話
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ともあれ、何だか微妙な空気になったので話を変えた方がいいだろう。
「それで、ムネ……いや、ヨシサダ少将が俺達と一緒に木星に行くと?」
そんな俺の問い掛けに、ヨシサダの隣のお偉いさんが頷く。
「はい。彼は穏やかで人当たりも良く、今回のように敵対的な相手と友好的に接するにはこれ以上ない人材かと。アクセル代表もご存じのミスマル提督から強い要望がありまして」
「ミスマル提督というのは、確か極東方面軍の提督よね? アクセルが乗ってたナデシコの艦長の……」
尋ねてくエザリアに言葉に頷きを返す。
「ああ。色々とユリカの事になると暴走しがちではあるけど、能力的にはかなり優秀らしい」
「アクセルの目から見ても?」
「恐らく優秀なのは間違いない」
ユリカに対する親馬鹿ぶりを除けばだが。
ユリカを人質にしてしまえば、恐らくあっさりと釣り出せるような気がする。
そう思うのは、ミスマルの親馬鹿ぶりをこの目で見たからだろう。
「なるほど。……ムネタケ少将」
「いえ、名前の方で呼んで下さい。皆さんと……正確にはアクセル代表とですが、息子と色々とトラブルがあったのは事実です。そうなると、これからも息子の話題が出る事もあるでしょうから、そうなった時に混乱しないように」
「そう? じゃあ、そうさせて貰うわ。ヨシサダ少将。率直に聞かせて貰うけど、貴方は木連をどう思っているの? 連合軍の軍人ではなく、1人のムネタケ・ヨシサダとして聞かせてちょうだい」
エザリアの鋭い視線がヨシサダを射貫く。
だが、ヨシサダもそんなエザリアの視線を受けながらも、全く動じた様子がなく口を開いた。
「そうですね。私個人としては、残念だと思いますよ。向こうも色々と思うところはあるのでしょうが、出来ればその憎しみを超えて手を取り合っていきたいと思っています。……まぁ、向こうの使者を害してしまっている以上、容易に和平を……とはいかないでしょうが」
へぇ。現状を良く見ているな。
それに木連に派遣されるだけあって、当然の事だが木連についても知らされているらしい。
エザリアの言葉に答えているヨシサダは、確かにミスマルが推薦するだけの事はある。……というか、何だってこんな有能な父親の教育を受けてきたのに、息子の方はあんな風になったんだろうな。
一応提督だったって事は、優秀では有るのかもしれないが。
ともあれ、ヨシサダの方は無駄に騒動を引き起こすような真似はしそうにない。
だとすれば、連合軍も木連を相手に強硬姿勢を止めたのか?
シャドウミラーが関係しているのは間違いないだろうが……
「個人的に、ね。連合軍が妙な命令を出せば、軍人としてそれに従うと?」
エザリアの視線がヨシサダ……ではなく、その上司の軍人
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