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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
第84話
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「あれ?でも確か”殲滅天使”が”緋の騎神”の”起動者”だけヴァリマール達と違って特殊みたいな事を言ってなかったっけ?」

「ああ。確か殿下達――――”アルノール家”の方々でないと動かせないという話だったな。」

「陛下達も皇太子殿下達もそなたに捕らわれておらず、万全の守りの中にいらっしゃる!”起動者”もいない”騎神”をどうやって動かすつもりだ!?」

一方ある事を思い出したミリアムの疑問にユーシスは頷いて答え、ラウラは厳しい表情でヨアヒムに問いかけた。



クク……ナケレバ作レバイイダケダジャナイカ……!



するとその時ヨアヒムは再び巨大な腕から怪しげな真紅の光をオズボーン宰相へと解き放ち、光に包まれたオズボーン宰相はテスタ=ロッサの(ケルン)へと吸い込まれた!

「な――――」

「オ、オズボーン宰相が……!」

「吸い込まれた〜!?」

それを見たリィンは絶句し、エリオットとミリアムは信じられない表情で声を上げた。するとテスタ=ロッサは起動し始めた後自身の姿を”紅き終焉の魔王”――――エンド・オブ・ヴァ―ミリオンへと変化した!



「ま、まさか……」

「”緋の騎神(テスタ=ロッサ)”を核に250年前にも現れた……」

「”緋き絶望”――――”紅き終焉の魔王(エンド・オブ・ヴァ―ミリオン)”!しかし何故”緋の騎神(テスタ=ロッサ)”の”起動者(ライザー)”としての資格もない”鉄血宰相”で起動が……」

「”鉄血宰相”を自身の力―――因果を操る力で”鉄血宰相”に”緋の騎神(テスタ=ロッサ)”の”起動者(ライザー)”としての資格を与える事で無理矢理起動させたのね……!何と愚かな事を……!」

エンド・オブ・ヴァ―ミリオンの顕現にエマは表情を青褪めさせ、セリーヌは厳しい表情をし、リアンヌの疑問を聞いてすぐに察したクロチルダは怒りの表情でヨアヒムを睨んだ。そしてエンド・オブ・ヴァ―ミリオンは咆哮を上げた。



〜ジュライ特区〜



一方その頃ジュライ特区内は紅いもやのようなものに包みこまれ、避難中の市民達が次々と倒れ始めた!

「うわああああ……っ!?」

「キャアアアア………っ!?」

「少佐!市民達が……!」

「落ち着け!まずは市民達をジュライ特区から離脱させる事を最優先に行え!」

次々と倒れる市民達を見て混乱している兵士達にナイトハルト少佐は指示を出していた。同じ頃市内で士官学院生や兵士達と戦闘をしていた魔煌兵や悪魔達は次々と崩れ落ちて消滅し始め、更に機甲兵も起動を停止して地面に跪いた。



「な、なんですの……!?」

「フェリスお嬢様、御下がりください!」

「これは……何かが吸い取られているのかしら……!?
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