23部分:第四幕その一
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第四幕その一
第四幕 サン=タンジェロ城
スカルピアの執務室。執務用の豪華な机の他に長椅子もある。豪華なシャングリラがありは入って右手はバルコニーとなっておりガラスの扉がある。左手の壁には王妃の肖像画がかけられれている。スカルピアはここで遅い夜食を食べているところである。
警官が二人と給仕頭、従僕達が控えている。スカルピアはここで思い出したように警官の一人に問うてきた。
スカルピア 「コルシカのあの小男はフォークもナイフも使わないそうだな」
警官 「はい」
それに答えて述べる。
警官 「何でも手掴みで食べ腹を空かせた獣のように貪るそうです」
スカルピア 「(侮蔑に満ちた声で)あの男らしいな。所詮は卑しいコルシカの田舎者だ」
警官 「全くです」
スカルピア 「だがその小男が勝ってしまった。王妃はお付の者達と共にローマに帰られたそうだな」
警官 「左様です」
スカルピア 「それで街はどうなっているか」
警官 「今のところは静かです。哨兵を倍に警官も兵も全員部署につけました」
スカルピア 「要らぬ用心だと思うがな。だが念には念を入れよ」
警官 「(敬礼して)はっ」
スカルピア 「フランスの勝利がローマの者達を熱したにないにしろな。遅かれ早かれジャコビーニ達はこの街に来る。その前にアンジェロッティ侯爵を捕らえるか殺すかしてすぐに我々もローマを去るぞ」
警官 「わかりました」
また敬礼する。スカルピアはまた言う。
スカルピア 「この後詰の報酬は陛下からたっぷりと頂けるだろう。ところで子爵殿はどうされているか」
警官 「礼拝堂で懺悔の僧達と御一緒です」
スカルピア 「(シニカルに笑って)ジャコビーニがか」
警官 「はい。悔悟の心はなく自分は神を信じない。神の許しなぞもらう必要もないと。相変わらずの御様子です」
スカルピア 「相変わらずだな、ジャコビーニは」
警官 「ただ己が信念と理想、芸術の為に生きて死ぬだけだと言っておられます。全く以って頑固な御仁であります」
スカルピア 「死ぬというのに大した度胸だ。子爵の財産はどうか」
警官 「全て兄君であられる伯爵のところへ」
スカルピア 「だろうな。面白くとも何ともないことだ。それに関してはな」
警官 「全くです」
ここで扉をノックする音が聞こえてくるスカルピアはそちらに顔を向ける。
スカルピア 「入れ」
スポレッタが入って来る、すぐに敬礼する。
スカルピア 「絞首台の用意はできたか」
スポレッタ 「このバスコにーの
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