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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第53話:命短し恋せよ乙女。淡き色した桜の如く。
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腕前向上の手助けをしてるだけのはず!
なのに何で彼女は俺を部屋に招き入れ、剰え料理をしているのだろうか?
昼食時だから? 時間的にはね。うん、時間的には昼飯の時間だし、普段だったら空腹を訴えてるだろう。
でも今は空腹か如何か分からない。
もしかして……リュカさんの言ってた通りなのか?
ピクトルさんは俺に気があるのか?
そ、そんな訳ない! だって口説いてないし。俺、一度も口説いてないし!!
そうか! 彼女はノーザスレーンから出てきた田舎娘。
田舎では親しくなった男を、家に招き入れて食事を振る舞うなんて日常の事。
都会と違って警戒心が薄いんだよ。そうだよ、そうなんだよ!
「さぁお待たせしました。有り合わせの物で作ったので、お口に合えば幸いですぅ?」
「美味そうッスね。いただきます」
タマネギと煮魚を和えたパスタからは、空腹を思い出させる匂いが立ち込める。
フォークでパスタを絡め取り、口に入れて味わってみる。
「美味い! 何これ、
凄
(
すげ
)
ー美味いっすよ!」
「あ、ありがとうございますぅ?」
俺の感想に顔を赤くして喜ぶピクトルさん。
可愛い……しかも料理上手。
こんなに可愛いのだし彼氏は絶対に居ると思うんだけど……
室内を見渡しても男の影は見当たらない。
ある物はキャンバスや絵の具などの絵画に関する物ばかり……
奥の部屋にあるベッドも綺麗に整頓されてるが、一人以上の男が使用した形跡は見受けられない。
……だ、だからなんだ!?
ピクトルさんに彼氏が居ようと関係ないだろ!
彼女のベッドを見て、変な妄想をするんじゃ無い!
そうさ……当初の予定通り、俺はピクトルさんに“君とその気は無い”と告げ、更には“俺、姫様2人と付き合ってるんだよ”と言っておかないと。
部屋に招き入れ料理を振る舞った事が、親しい友人に対しての行為だとしても、俺の立場をハッキリさせておかなければ、今後に支障が出るかもしれない。まぁ俺の杞憂だろうけどね。
でも、何も食事中にする話じゃないよね。
凄く美味しいし、台無しにしたくないし、食べ終わってからでも良いよね。
「ごちそうさまでした。あ〜美味かったぁ」
「お粗末様でした。ウフッ、喜んで戴けて良かったです」
嬉しそうに食べ終えた食器を台所へ運ぶピクトルさん……
俺はそんな彼女の後ろ姿を見ながら、意を決して口を開く。
「あの……ピクトルさん。聞いて欲しい事があるんだ」
俺の言葉に瞳を輝かせながら振り返る彼女は可愛すぎる。
「あのね……貴女が俺の『部屋に行きたい』って要望に、どんな気持ちで応えてくれたのかは分からないけど……俺、貴女と恋人同士にはなれないよ」
言った。言ってしまった! もし彼女に、俺との恋愛感情が微塵も無け
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