暁 〜小説投稿サイト〜
Three Roses
第三話 幸福と孤独その二

[8]前話 [2]次話
「島の他の二国とも隣の島の国とも」
「倍以上よね」
「三国を合わせたよりもです」
 さらにというのだ。
「我が国は強いです」
「そうよね」
「ですが王国がいます」
「あの国が」
「あの国は我が国と同じかそれ以上に強く」
 しかもというのだ。
「腹黒く常に三国を煽っています」
「我が国を攻めよと」
「そうしています」
「あの国のことは私も聞いてるわ」
 マリアは暗い顔になり王国のことを話した。
「何かとね」
「我が国に害を為してきていますね」
「この数百年の間ね」
「そうです、何度も戦ってきていますし」
「策謀もよね」
「常にしてきています、ですがあの国の敵は我が国だけではありません」
 さらにあるというのだ。
「帝国、そして法皇庁ともです」
「仲が悪かったわね」
「あの国は我が国以外に二つの敵を抱えています」
「帝国、そして法皇庁ね」
「その二つも敵なので」
 それ故にというのだ。
「そこがあの国の弱点です」
「帝国の領土は王国を囲んでいたわね」
「はい、三方から」
「そして我が国もあるから」
「我が国と帝国が手を結べばです」
「完全に囲めるわね」
「その通りです」
 こうマリアに話す、そして。
 マリアもだ、その話を聞いて言った。
「それなら」
「そうです、我が国は帝国とです」
「仲良くするべきね」
「実際にそうしていますし」
「ここで」
「マイラ様がです」
 今ここにいない彼女がというのだ。
「婚姻を結ばれますので」
「お姉様がよね」
「そうです」
「そうなのね、よかったわ」
 マリーはセーラの言葉を聞いて素直に喜んだ、そのうえでこうも言った。
「お幸せに」
「マイラ様が」
「是非にと思うわ」
「そうね」
 マリアもマリーの言葉に微笑んで頷いて応えた。
「マイラお姉様が幸せになるのなら」
「いいことね」
「そう思うわ」
 二人で心から話す、しかし。
 セーラはその二人にだ、不安を感じる顔でこう言ったのだった。
「あの、ですが」
「ですが?」
「ですがというと」
「お二人、私もそうですが」
 三人共というのだ、要するに。
「新教ですね」
「ええ、宗派はね」
「そちらよ」
「マイラ様はお母上がそうであられたので」
「旧教というのね」
「宗派が」
「しかもグレゴリー様が教師ですので」
 セーラはこのことも指摘した。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ