20部分:第三幕その六
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
そのことに驚きの顔になる。
トスカ 「どうやってそれを」
スカルピア 「まあ貴女が本当のことを仰ればあの方も苦しい時を短くすることができるでしょうな」
トスカ 「苦しい時!?あの部屋で何が」
スカルピア 「法律は守らなければなりません」
あえて素気なく言う。
スカルピア 「それだけです」
トスカ 「まさか・・・・・・あの方は」
スカルピア 「手と足を縛られてこめかみに朿のついた輪が嵌められ椅子に座わらさせられているだけです。こちらの質問に答えて頂かないと輪が締められそこから血が噴き出るのですがね」
トスカ 「そんな・・・・・・」
それを聞いて青い顔になる。スカルピアはそれを見てさらに言う。
スカルピア 「それだけです」
トスカ 「あの方はそんな目に」
スカルピア 「ですが貴女なら彼を救うことができます」
トスカ 「私なら」
スカルピア 「はい」
トスカの顔を見ながら言う。彼女は蒼白になり汗を流し続けている。
スカルピア 「全ては貴女次第です」
トスカ 「私次第」
スカルピア 「どうされますか?仰いますか?」
トスカ 「い、いえ」
顔を背けて言う。
トスカ 「何も知らないです」
スカルピア 「ではあの方はそのままです」
冷たい声で返す。
スカルピア 「真実を仰らない限りはね」
トスカ 「私は何も。知らないです」
スカルピア 「では子爵はこのまま。苦しみ続けることになりますがそれでも宜しいのですね」
トスカをさらに見て言う。視線でもプレッシャーを与える感じである。
スカルピア 「それで」
トスカ 「いえ」
必死に顔をあげて言う。
トスカ 「私はあの方を」
スカルピア 「ではお話しますね」
トスカ 「は、はい」
俯いてまた述べる。
トスカ 「それでは」
スカルピア 「わかりました。コロメッティ」
また呼ぶ。
コロメッティ 「はい」
すぐに部屋に入って来る。スカルピアはその彼に言う。
スカルピア 「解いてやれ」
コロメッティ 「(敬礼しながら)全てですか?」
スカルピア 「そうだ」
はっきりと言う。
スカルピア 「わかったな」
コロメッティ 「わかりました、それでは」
スカルピア 「うむ」
コロメッティは退室していく。トスカはその後を追おうとするがスカルピアは彼女の前に来て覆い被さるようにして立ち塞がる。これでトスカは動けなくなる。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ