潰せばいい
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ない・・・いや、むしろさらに押されているように見える。
「何かやってるように見えたか?」
「いえ・・・そんな感じは微塵も」
ラクサスさんも自信満々だった彼の姿を見て、カミューニさんを倒す方法があると考えていたのに、それを裏切られたからか頭に?マークを浮かべている。セシリーも首をかしげて圧倒しているカミューニさんの方を見ているし、何が何なのかさっぱりだ。
「まだやるのか?これ以上は意味ないと思うぜ?」
目付きを鋭くさせ、掴んでいた足を投げるように離したカミューニさん。それに対し、ノーランは滴る汗を拭おうと口元を擦る。
「??」
その時、彼の口角がわずかに上がったように見えた。それはまるで、罠にかかった獲物を見ているかのような、そんな笑いだった。
「カミューニさん!!」
「あ?」
手で隠れていたから、カミューニさんにはノーランが笑っていたのは見えていなかったはず。そのことを伝えようと彼を呼ぶと、ノーランはすぐさま攻撃をする。
「砕け散れ!!」
小さな小石を大きな岩へと変換させる。転がりながら向かってくるそれを、カミューニさんは手のひらサイズの魔力のボールであっさりと粉々にする。
「シリル!!後で話は聞くからちょっと待ってろ!!」
「あ・・・」
こちらに向けかけていた視線を敵へと戻し、駆けていくカミューニさん。だけど、嫌な予感がする。よくわからないけど、すごく悪いことが起きそうな気が・・・
「波動拳!!」
「ぐおっ!!」
魔力を宿した拳を、腕をクロスさせてなんとか防ぐノーラン。こちらが圧倒的に優勢・・・なのに、あの笑みはなんだったんだ?
(そう。これでいい。予想通りだよ、カミューニさん)
やられっぱなしのノーランは、カミューニさんの連打攻撃にただただやられている。それはまるで、練習用のサンドバッグのような、そんな感じに俺の目には見えた。
(この人はイラつきやすい。少しナメた戦い方をすれば、それで熱くなってくれる)
どんどんノーランを押し込んでいくカミューニさん。彼はついに、壁際まで敵を追い詰めていた。
(チャンスは一度きり。これを逃せば勝機は完全に失せる。だが、十中八九成功する。この状況なら・・・)
口元に血を流しているノーランは、ついに力尽き、膝から崩れ落ちていく。それを見たカミューニさんは、もうこれ以上の攻撃は不必要と拳を下ろした。
(今だ!!)
だがその刹那、閉じかけていたノーランの目がパッと開いた。
「!!」
それを見たカミューニさんはすぐに構えを整え直す。しかし、それよりも早く・・・
「これでも食らいな!!」
ノーランの右腕が振るわれた。
(真っ正面からぶつかり合えば、こちらに勝ちの目な
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