第百十話
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ぇなコリャ」
各種族領と同等以上の力を持ったシャムロックと、種族領の直接的な対立。今はセブンの方針と人柄によって抑えられているが、ともすれば旧ALOのような、異なる場所に所属するプレイヤーへの、PKメインのゲームに逆戻りする可能性もある。
「しかし、詳しいなクライン。ありがたいけどさ」
「あ? そりゃオメェ……」
グウェンが語っていた『これからこの世界は巻き戻る』――という言葉を思い出しながら、ふと、気になったことをクラインに問うた。色々な情報を知っていてありがたいが、随分詳しいんだな、と軽い気持ちで問いかけたつもりだったが――クラインは、少し照れくさそうに顔を逸らした。
「……あのPK集団の情報探ろうと、方々走り回ってたからに決まってんじゃねぇか」
「……ありがとう、クライン」
……後から聞いた話ではあるものの、どうやらクラインはSAO時代に《笑う棺桶》とルクスが一緒にいたのを、偶然にも見たことがあったらしい。それをあのキャリバークエストで問い詰めていたので、それで追い詰めてしまったのではないか――と、顔に似合わず繊細なことを言うクラインに、ひとまず俺は心の底からお礼を言った。
「ルクスのことばっかりで、PK集団の方まで手が回ってなかったわね……ありがと、クライン」
「あーあー、やめだやめだ! んな事より、サラマンダーの連中が準備完了するまでに、PK集団見つけてこっちから殴り込みだろ?」
問題はあいつらがどこにいるかまでは、掴んでないことだがよ――と、他のメンバーがこれから口を開こうとするのを妨害するように、クラインが大げさな動作でそう言ってのける。そんなクラインに小さく笑いながら、余裕を持ちながらも少し神経を張り詰める。まさかサラマンダーに、PK集団の場所を掴んでませんか、などと聞きにいく訳にもいかないが、種族領ほどの情報収集力がなければ、恐らくは奴らの場所が分からない。
「みんなで手分けして探すしかないよ!」
そうユウキが力強く宣言した瞬間に、どこかからメールが着信した音が鳴った。誰かと思えば当のユウキだったらしく、こんな時に――と文句を言いながらも、とりあえずメニューを操作してメールを読んでいく。すると不満げだった表情が、どんどんと驚きと喜びが入り混じった表情になっていき、急ぎメニューを操作し始めた。
「ねぇねぇみんな、見てよコレ!」
そうしてユウキはシステムメニューを可視化させ、俺たちは釣られてそのメールを覗き込んだ。その差出人はセブン――奇しくも先述した、各種族領ほどの情報収集力を持った一団。メールにはそのPK集団がたむろしているフィールドと、関係性が疑われている以上、シャムロックは動かせないことと――この世界に来て、初めて友達になったルクスのこと
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