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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
第80話
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”本気”になった兄様には足元にも及ばないでしょうね。
……じゃあ嬢ちゃんはあの時のリィンは無意識で手加減して俺と戦ったって言いたいのか……!?
あくまで推測ですが。この際ハッキリ言わせてもらいますが貴方は神々や魔神の”力”を軽く見過ぎています。彼らはその気になれば単独で国を滅ぼせる程の”力”を持っているのですから。
……つまり、あれか?あの時のベルフェゴール達もそうだが、パンダグリュエルでのリィンも俺を殺さないように手加減をしていたって事か……!?
”裏切り者”の貴方を生かしたベルフェゴール様達の意図はわかりませんが、兄様はそうでしょうね。
「………けんじゃねぇ。」
「?どうした、クロウ!もう終わりか!?」
ミシェラムでのエリゼとの戦いの最中で交わした言葉のいくつかを思い出し、ヴァリマール―――リィンが急激に強くなった理由を自分なりに推測したクロウは怒りによって身体を震わせながら呟き、クロウの様子がおかしい事に気付いたヴァリマールの操縦席にいるリィンがクロウに声をかけたその時!
「ざけんじゃねぇぇぇ―――――ッ!!」
クロウは咆哮を上げると共に全身に膨大な瘴気を纏い、かつてトリスタでヴァリマールを圧倒的に倒した姿へと変化した!
「!あの姿は……!」
かつてトリスタで敗北した際のオルディーネ―――クロウの姿を見たリィンは唇を噛みしめた。
「俺はこの時の為になりふり構わず”力”を求めたんだ!これ以上”部外者”共の介入で醜態をさらしてたまるか――――ッ!!」
「一体何の事を言っているんだ、クロウ!?」
「そんな事を気にするのは後にしなさい!それよりもあのままだと冗談抜きでバンダナ男がすぐに死ぬわよ!?」
「!?どういう事だ、それは!」
操縦席の中に自分と共にいるセリーヌの警告を聞いたリィンは血相を変えて尋ね
「アンタがさっき使い魔にした娘みたいにあのバンダナ男は周囲の
霊力
(
マナ
)
を過剰に取りこんで、自身の
霊力
(
マナ
)
を
暴走
(
オーバーロード
)
させようとしているのよ!」
「何だって!?」
「止めなさい、クロウ!これ以上霊力を取りこめば、貴方はすぐに死ぬわよ!?」
「例え
暴走
(
オーバーロード
)
する程の
霊力
(
マナ
)
を自身の力にする事ができても、その行為は寿命を大きく削る行為です!ですからこれ以上の
霊力
(
マナ
)
の摂取は止めてください!」
セリーヌの説明にリィンが驚いている中、クロウの状態を既に察していたクロチルダとエマは血相を変えてクロウに警告をした。
「るせぇ!外野は引っ込んでろっ!!オォォォォォォ―――――ッ!!」
「クロウ……」
「どうしてそこまでして………」
二人の警告を
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